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職人の暗黙知をフィジカルAIに 指先を捉えるグローブ:村田製作所の3軸LFアンテナ搭載(1/2 ページ)

村田製作所とMelt Interface Technologiesは「CEATEC 2026」で、手指の動きを高精度に計測するグローブ型デバイス「ContactGlove3 Pro」を展示した。村田製作所の小型/高感度LFアンテナを搭載し、5本の指の位置や姿勢を計測できる。熟練技術者の作業をフィジカルAIの学習データとして活用するなどの用途を想定する。

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 村田製作所は、「CEATEC 2026」(2026年10月13〜16日)に出展し、Melt Interface Technologies(以下、Melt Interface)と共同で、グローブ型デバイス「ContactGlove3 Pro」を展示した。人間の指先の細かな動きを高精度にデータ化し、ロボットの学習や遠隔操作、熟練技術者の技能継承などに活用するものだ。

 両社は2026年9月に事業提携を発表していて、ContactGlove3 Proは連携の第一弾となる製品だ。同製品は「CEATEC AWARD 2026」で優秀賞を受賞した。

「ContactGlove3 Pro」を着用した手の動きにロボットハンドが追従する様子
「ContactGlove3」(写真は産業用ではなくVR用モデル。スマホ操作などがしやすいよう指先が空いている)
「ContactGlove3」(写真は産業用ではなくVR用モデル。スマホ操作などがしやすいよう指先が空いている)[クリックで拡大]

曲げセンサーから電磁場方式へ、指先の計測精度を向上

 ContactGloveは、Melt Interfaceが仮想現実(VR)向けコントローラーとして開発してきた製品だ。従来は、グローブに搭載した曲げセンサーで指の曲がり具合を検出し、VR空間内に手の動きを再現していた。

 しかし、徐々にロボットの遠隔操作や学習データの収集など、産業用途への活用を求める声が増えてきたという。こうした需要を受け、2026年6月に発表した第3世代品では、産業用途向けの「ContactGlove3 Pro」もラインアップに加えた。

 第3世代品の大きな特徴が、従来の曲げセンサーに代えて、電磁場(EMF)方式を採用したことだ。ContactGlove3 Proでは、5本の指先それぞれに、村田製作所が開発した小型/高感度の3軸低周波(LF)アンテナを搭載している。同アンテナは、位置や姿勢の安定した計測に加え、省電力化や小型化にも貢献しているという。

村田製作所のLFアンテナ
村田製作所のLFアンテナ[クリックで拡大]

 EMF方式は、送信機が発生させた磁界を指先のセンサーで検出し、各指の3次元位置と姿勢を求める仕組みだ。従来の曲げセンサーでは指の曲がり具合を検出していたが、EMF方式では各指先の3次元位置と姿勢を6自由度(6DoF)で直接計測できる。

 同社によると、推奨環境下でのセンサー位置誤差は中央値0.5mm、最大1.5mmで、指先の繊細な動きを捉えられるという。

 外部カメラを必要とせず、指が物体などに隠れても計測への影響を受けにくい点が特徴だ。動作を積算して位置を求める方式とは異なり、時間の経過に伴う誤差の蓄積(ドリフト)も発生しない。磁界を利用する方式では周囲の金属によるノイズが課題となるが、ソフトウェアによるノイズ低減処理を取り入れ、計測精度を高めている。

 連続稼働時間は8〜10時間だ。Melt Interfaceによると競合製品と比べても長いという。また、もともと民生向け機器として開発を進めてきたので、コストを抑えて生産できることも強みとしている。

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