検索
インタビュー

ローム、半導体後工程の外部委託を拡大 製造戦略を変革:インド2社と提携(3/4 ページ)

ロームは、半導体組立/テスト(OSAT:Outsourced Semiconductor Assembly and Test)企業への委託を拡大する。まずは既存製品の組立/検査を委託し、現地需要への対応から始める。

Share
Tweet
LINE
Hatena

インドでの現地生産を推進する背景

 寺田氏は、インドで組立/テスト工程の現地化を進める「最大の理由」として、サプライチェーンの強靱化と、インド政府による現地生産推進政策を挙げた。もう1つの理由は、最終顧客によるローム製品の採用を拡大することだという。

 寺田氏によると、インド政府の生産連動型優遇策(PLI)や国内付加価値の拡大を促す政策も、顧客による製造工程の現地化を後押ししている。

 ロームは、インドの半導体産業に早期参入することで、認知度を高める効果も期待している。寺田氏は「インドの半導体産業における先行企業の1社になりたいと考えた」と語った。

現地市場向けのパワー半導体技術を披露

 現地顧客を重視する姿勢は、ロームが「electronica India」で披露したデモにも表れていた。同社は、インドの自動車および産業機器市場に向けたパワー、アナログ、組み込み関連のソリューションを展示した。

 その1つが、電子燃料噴射(EFI)ドライバーIC「UCHIP2」の評価ボードを使用したリファレンスデザインだ。このシステムはインドで設計され、現在も現地で検証が進められているという。一方、製造は日本で行っている。排気量300cc以下の四輪車、二輪車、三輪車を対象としている。

電子燃料噴射(EFI)ドライバーIC「UCHIP2」の評価ボード
電子燃料噴射(EFI)ドライバーIC「UCHIP2」の評価ボード[クリックで拡大]

 ローム・セミコンダクタ・インディアでアナログLSI設計を担当するLSIマネジャーのVishal Jain氏は、米国EE Timesに対し「このリファレンスデザインには、エンジン制御、燃料噴射、点火用として、ロームのICやインテリジェントパワーデバイス、ゲートドライバー、高耐圧IGBT、MOSFETを組み合わせている」と説明した。低電圧、過電圧、過電流、負荷開放、過熱に対する保護機能に加え、マイコンの動作を監視するウォッチドッグタイマーも搭載している。

 ロームは、インドの設計拠点で開発した三輪EVのコンセプトモデルも展示した。48Vの小型EV向けアーキテクチャに、同社のパワーデバイスやアナログデバイスを組み合わせたものだ。駆動用モーターとインバーターのシステムには、TOLLパッケージを採用した「EcoMOS」を含む100V耐圧の車載MOSFETを使用していて、連続出力5.5kW、ピーク出力8.5kWを実現している。

electronica Indiaで三輪EVのコンセプトモデルを紹介するローム・セミコンダクタ・インディアの寺田誠氏
electronica Indiaで三輪EVのコンセプトモデルを紹介するローム・セミコンダクタ・インディアの寺田誠氏

 このデモ車両には、コックピットやカメラのディスプレイ向けにディスプレイコントローラー、SerDes IC、画像調整LSIも搭載した。さらに、車両接近通報装置向けの車載用音声合成ハードウェアや、車外照明向けのマルチチャネルLEDドライバーも採用している。

 別のデモでは、ロームのオンデバイスAI技術「Solist-AI」を紹介した。ファンモーターを使用した予知保全のデモで、機器の正常時の振動パターンを学習し、振動の変化から異常を検出する仕組みを示した。

 Solist-AIは、ロームの専用AIハードウェアアクセラレーター「AxICORE-ODL」をマイコンに統合した技術だ。ネットワーク接続やクラウドサーバを使用せず、デバイス上で学習と推論を実行できる。同社によると、加速度、温度、電流、電圧、音、光などのデータを利用して異常を検出でき、モーターのベアリング損傷検出や産業機器の状態監視などに応用できるという。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る