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ニデックが役員責任報告書を公表、永守氏ら歴代5社長の責任詳述:損害額276億円(2/3 ページ)

ニデックは2026年10月20日、一連の会計不正問題を巡り、役員責任調査委員会の調査報告書を公表した。報告書では、創業者の永守重信氏や元会長の小部博志氏をはじめ、吉本浩之氏、関潤氏、岸田光哉氏ら歴代5社長について、それぞれの任務懈怠(けたい)の具体的な内容を詳述している。

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永守氏、不適切な処理方針を認識しながら決定/容認

 永守氏について、委員会は2016年に始まった資産健全化プロジェクトの段階から、不適切な処理方針を認識していたと判断した。当時CFOだった佐藤氏らから不良資産の状況や処理方針について報告を受け、会計基準に適合しないことを認識しながら同方針を決定/容認したとして、任務懈怠を認定した。2022年度の構造改革についても、営業利益目標から構造改革費用を逆算する処理方針が会計基準の理念に反することを認識し得たにもかかわらず、容認したとして任務懈怠を認定した。

ニデック創業者の永守重信氏 出所:ニデック(当時は日本電産)の決算説明会からキャプチャー(2022年10月)
ニデック創業者の永守重信氏 出所:ニデック(当時は日本電産)の決算説明会からキャプチャー(2022年10月)

 2025年3月期には、車載事業で減損損失などの計上が必要となる見通しを受け、当時社長だった岸田氏らが構造改革費用を営業利益目標とは別枠で計上する案を提案した。しかし、永守氏は通期営業利益2400億円の達成を求め続け、別枠計上を認めなかったという。結果として、必要な損失処理の一部が翌期以降に先送りされた。

 個別の会計不正事案についても、委員会は永守氏の任務懈怠を認定した。精密小型モータ事業では不適切な会計処理への対応が問題となったほか、車載事業では滞留債権に対する引当金の計上や、トラクションモータ事業の減損処理の先送りが問題となった。一方、車載インバータ事業については、減損損失の計上が必要であると認識する機会があったとは認められず、任務懈怠を認定しなかった。

小部氏も、不適切な処理方針を容認、監視義務違反

 小部氏についても、資産健全化プロジェクトで会計基準に適合しない処理方針を認識しながら容認したとして、任務懈怠を認定した。同プロジェクトの定期報告などを通じて、不良資産の処理が営業利益目標との兼ね合いで先送りされていたことを把握していたと判断した。2022年度の構造改革についても、不適切な処理方針を認識し得たにもかかわらず是正せず、容認したとして監視義務違反を認定した。

 個別の会計不正事案では、精密小型モータ事業に加え、2025年3月期の車載事業でも、滞留債権の引当金計上やトラクションモータ事業の減損処理の先送りを認識していた、または容易に認識できたとして任務懈怠を認定した。一方、車載インバータ事業については、永守氏と同様に任務懈怠を認定していない。

吉本氏と関氏「問題を認識し得たのに是正せず」

 吉本氏と関氏については、不適切な会計処理方針を認識し得たにもかかわらず、是正しなかったことが責任の根拠となった。

 吉本氏は2018年6月から2020年3月まで代表取締役社長を務めた。委員会によると、吉本氏は資産健全化プロジェクトの処理状況について報告を受けていて、会計基準に適合しない処理方針を認識し得る立場にあった。しかし、必要な是正措置を講じず、同方針に基づく損失処理の先送りを容認したとして、任務懈怠を認定した。

 関氏についても、社長在任中に資産健全化プロジェクトの処理状況について報告を受けていたことから、同様の是正義務があったと判断した。委員会は、不適切な処理方針を認識し得たにもかかわらず是正しなかったとして、任務懈怠を認定した。ただ、関氏は2022年9月に取締役を退任しているため、その後に進められたFY22構造改革の検討には関与していない。このため、委員会は同構造改革について関氏の任務懈怠を認めていない。

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