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パナソニック、ガラス型ペロブスカイト太陽電池を発売:29年4月の本格量産目指す(2/2 ページ)

パナソニック ホールディングス(以下、パナソニックHD)は2026年10月20日、ガラス型ペロブスカイト太陽電池「ENEFACE(エネフェース)」の本格量産を2029年4月から開始すると発表した。2026年9月から先行量産品の販売を始め、事業活動を開始。当初予定から本格量産時期を1年前倒しした。

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30cm角で18.1%以上の発電効率を実現、デザイン性も特徴

 ENEFACEは、合わせガラスの内部にペロブスカイト層を有するペロブスカイト太陽電池だ。窓や天窓、ショーウィンドウなど施設のガラス建材として使え、パターンデザインの自由度が高いことを特徴とする。

自由度の高いパターンデザインが可能タイポグラフィーのデザイン例 左=自由度の高いパターンデザインが可能、右=タイポグラフィーのデザイン例[クリックで拡大]

 現時点での発電効率は30cm角で18.1%以上。パナソニックHD技術部門ペロブスカイトPV事業推進室長の金子幸広氏は「同サイズのシリコン式太陽電池の発電効率が20%程度のため、多少は落ちるが同程度の発電効率を実現できている。2029年4月の本格量産に向けて、より大きなサイズでも発電効率を維持できるよう開発中だ」とする。

 使用する透明電極付きガラスは、パナソニックHD独自の材料組成技術によって高効率と高信頼性を両立する。ペロブスカイト層の塗布には、ディスプレイ製造で培ったインクジェット技術を応用し、大面積かつサイズフリー対応の自社開発装置を用いる。

 その後、レーザーでペロブスカイト層を削り、デザインを描いていく。削った分だけ発電効率も下がるが、「一見すると透明でも、実際は見た目以上にペロブスカイト層を残した削り方をできることも強みの1つだ」(金子氏)という。特殊な金型や原版を必要としないため、デザインによって価格が大きく変わることも無い。

製造工程
製造工程[クリックで拡大]

 最後に合わせガラス化し、封止することで完成する。販売中の先行量産品は最大1.8×1.0mサイズで厚みは3+3mm/6+6mmを用意。本格量産品は最大1.8×1.2mサイズ、厚み3+3mm/4+4mm/5+5mm/6+6mmをそろえる予定だ。

 「先行量産品と本格量産品であまりサイズが変わらないようにも見えるが、先行量産品は1m幅×1.8m長で作るのに対し、本格量産品は1.8m幅×1.2m長で作る。設備を増設すれば、1.8m幅×3.0m長の大型サイズを作ることもできる」(吉川氏)

製品仕様
製品仕様[クリックで拡大]

「競合は既存の窓や壁」

 ENEFACEは、2026年9月から神戸港(神戸市)の中突堤中央ターミナル(通称:かもめりあ)で運用が開始しているほか、2027年12月に竣工予定の阪急阪神不動産新本社ビル(大阪府北区)では、最上階(10階)の外装バルコニー手すり部分に実装することが決定している。

 パナソニックHD技術部門ペロブスカイトPV事業推進室事業戦略担当で事業開発課長の中村雄志氏によると、現時点での価格は従来の建材ガラスの5〜10倍程度だという。「本格量産品では建材ガラスの5倍以下の価格を実現したい」としつつ、施設の建築では他の建材や配線、施工などさまざまなコストがかかってくるため、全体で見ると大きな割合にはならないと続ける。

 「競合はシリコン型やフィルム型のペロブスカイト太陽電池ではなく、既存の窓や壁だ。いかにENEFACEへと置き換えていくかを考える必要がある。そういう意味では、海外には日本よりも電気代が高く、環境ガイドラインも厳しく建物への再生可能エネルギー設置が必須化されている地域などもあり、ENEFACEがソリューションになるのではと感じている。海外で大量の製品を提供するようになれば、日本のマーケットも変わるだろう」(中村氏)

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