Maximが環境発電向け電源ICを投入、機能集積度の高さをアピール:電源設計 エネルギーハーベスティング
Maxim Integrated Productsは、同社にとって第1弾となるエネルギーハーベスティング(環境発電)向け電源管理IC「MAX17710」を発売した。
Maxim Integrated Products(マキシム)は、同社にとって第1弾となるエネルギーハーベスティング(環境発電)向け電源管理IC「MAX17710」を発売した。
MAX17710は、ハーベスタ(発電デバイス)が生成した電力を受け取り、入力電圧を昇圧/安定化した後、二次電池に供給する役割を担うICである。固体薄膜電池を手掛けるInfinete Power Solution(IPS)の固体二次電池「THINERGY MEC」に最適化しており、バッテリーチャージャ機能に加え、過電圧保護や低電圧誤動作防止、外付けバッファコンデンサ管理機能、LDOレギュレータといった豊富な機能を集積したことが特徴だ。内蔵LDOレギュレータは、消費電力の小さい負荷に対する電力供給に使える。出力電圧は1.8Vまたは2.3V、3.3Vのいずれかを選べる。
出力電力範囲が1μW〜100mWのさまざまなハーベスタに対応した。例えば、太陽光、振動、熱電位差、無線電波といったエネルギー源を想定している。入力電圧は最小0.8Vである。自己消費電流は550nA、バッテリースタンバイ電流は1nAと小さい。
パッケージは、3×3×0.5mmの12端子UTDFN。既にサンプル出荷を開始しており、価格は、2500個以上購入時に4.11米ドル。太陽光ハーベスタを使った評価キットも用意した。
同社は発表資料の中で、「エネルギーハーベスティングは、急速かつ指数関数的な成長の条件がそろっている。ただ、これまでは、効率よくエネルギーを収集するために多様な電源管理機能を組み合わせる必要があったため、効率的なハーベスティングは困難だった」と述べている。
訂正あり 記事初出時にICの型番を「MAX17719」としておりましたが、正しくは「MAX17710」です。お詫びして訂正致します。記事はすでに修正済みです。
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