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Xilinxが28nm FPGAの消費電力ベンチマークを公表、「競合より50%以上も低電力」と主張プログラマブルロジック FPGA(2/2 ページ)

28nm技術で製造する次世代製品群「Xilinx 7シリーズ」で採用した低消費電力化技術を紹介するとともに、各種のアプリケーションを想定した消費電力シミュレーションのベンチマーク結果も公表した。最大のライバルであるAlteraの28nm世代品に比べて、消費電力を大幅に低く抑えられると主張する。

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 Xilinxは今回、同社とAlteraの28nm世代品の消費電力ベンチマーク結果も公表した。この結果に基づいて、「競合他社の28nm世代品よりも消費電力が大幅に低い」(Xilinxのラーマン氏)と主張する。

 この消費電力ベンチマークの実施方法はこうだ。両者がそれぞれユーザーに無償提供するFPGAの消費電力見積もりツールを利用した。Xilinxの「Xilinx XPower Estimator」と、Alteraの「Early Power Estimator」である。100Gビット/秒対応のトラフィックマネジャーやOTNマックスポンダ、無線通信基地局、業務用ビデオスイッチ装置、医療機器などのさまざまなアプリケーションを想定し、各アプリケーションで両社のFPGAに同じ回路ブロック群を実装した場合の消費電力の最悪値(最大値)を見積もった。

 ただし、XilinxによればAlteraの見積もりツールは最悪値を算出するオプションがなく、結果は標準値で出力される。そのため、標準値の結果にXilinxが独自に導き出した補正値を掛け合わせて、それをAlteraの最悪値とした。この補正値とは、「AlteraのFPGAを過去3世代にわたって実チップで消費電力を測定し、それと同社の見積もりツールの計算値を比較して求めたものだ」(ラーマン氏)という。

 例えば、100Gビット/秒対応ラインカードに搭載するトラフィックマネジャーでは、Iグレード同士で比較した場合、Xilinxの7シリーズの最上位ファミリである「Virtex-7」に比べて、Alteraの28nm世代の最上位ファミリ「Stratix V」の方が全消費電力の見積もり値が40%大きかったと説明した。Xilinxの-2LEグレードとAlteraのIグレードでは、Alteraの方が46%大きくなるとしている。

図4
Iグレード同士で比較した結果である。出典:ザイリンクス

 9通りのアプリケーションを想定してそれぞれの消費電力の見積もり値を比較したところ、両社ともにCグレード/Iグレードの比較ではAlteraの方が平均51%大きく、Xilinxの-2LEグレードとAlteraのCグレード/Iグレードの比較ではAlteraの方が平均72%大きかったという。なお、比較対象としたFPGAの品種はアプリケーションごとに異なり、XilinxはVirtex-7とKintex-7、Artix-7で、AlteraはStratix Vとミッドレンジファミリ「Arria V」である。Alteraは28nm世代で低コストかつ低消費電力をうたう「Cyclone V」も用意しているが、このファミリについては「現時点で、Alteraの見積もりツールが対応しておらず、対象FPGAとして選択できなかったので、比較対象に入れられなかった」(ラーマン氏)と説明した。

図5
9通りのアプリケーションで全消費電力を比較した結果をまとめた。AlteraのFPGAはCグレードとIグレードのみで、XilinxのFPGAについては、低消費電力グレード「-2LE」の消費電力も見積もって比較した。-2LEの一部は、電源電圧を0.9Vに引き下げた状態での値である。出典:ザイリンクス

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