脳を光らせて働きを解明――欧州最大の独立研究機関が最新状況報告(前編):ビジネスニュース フォトギャラリー(2/6 ページ)
世界有数の研究機関として知られるベルギーのIMEC。現在もさまざまな研究プロジェクトが進行中だ。今回は、450mmウエハーへの移行計画や、魚を用いた脳の働きの研究など、いくつかのプロジェクトを、写真を交えて紹介する。
EUVリソグラフィの最新情報
IMECで最新リソグラフィ技術のディレクタを務めるKurt Ronse氏(図2)は、IMECがEUVリソグラフィシステム「ASML NXE 3100」(図3)を導入したことを明らかにした。
ASML NXE 3100は、2011年3月にIMECの300mmファブに導入された装置である。光源には、ウシオ電機のDPP(Discharge Produced Plasma:放電プラズマ)方式EUV光源が採用されている。IMECは2011年6月から同システムでのウエハー処理を開始しており、現在までに線幅を18nmまで縮小することに成功している。
しかし、問題はスループットだ。現時点で、同システムの1時間当たりのウエハー処理枚数はわずか5枚である。当初は、1枚のウエハーを処理するのに3時間かかっていたので、それに比べれば向上したといえる。それでも、このままでは、1時間当たりウエハー60枚というスループットを得るまでに9カ月もかかってしまうことになる。
Ronse氏は、「450mmウエハーへの移行と、ある程度のスループットを両立するには、より高速なスキャン技術が必要だ。最大の課題は、ステージング技術の開発にある。450mmウエハーに対応したEUVスキャナの試作機で、妥当なスループットが実現できるのは、2015年か2016年になるだろう」と述べている。
だが、Van den Hove氏は、「さらに大きな課題は、商用システムとして必要となる1時間当たり100ウエハーのスループットを実現できる強い光源の確保だ」と語る。現在、少なくとも2社が、この課題に対応できる装置の開発をめぐって競い合っている状況だという。
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