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脳を光らせて働きを解明――欧州最大の独立研究機関が最新状況報告(前編)ビジネスニュース フォトギャラリー(1/6 ページ)

世界有数の研究機関として知られるベルギーのIMEC。現在もさまざまな研究プロジェクトが進行中だ。今回は、450mmウエハーへの移行計画や、魚を用いた脳の働きの研究など、いくつかのプロジェクトを、写真を交えて紹介する。

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IMECの最新状況報告【後編】へ

 IMECに関する2011年のビッグニュースは、ベルギーのルーヴェンに新たに2つの建物を建設する計画だ。その2つの建物とは、ルーヴェンで3棟目となるファブと新しいオフィスビルである。

 IMECのCEO(最高経営責任者)であるLuc Van den Hove氏は、2016年までに450mmのパイロットラインを稼働する計画を発表した(関連ニュース)。この発表では、IMECが450mmウエハーに対応した半導体製造装置をフルラインで稼働するおおよその時期や、待望のEUV(極端紫外線)リソグラフィ装置の導入時期についても触れられていた。

 2011年9月、450mm世代のウエハーへの移行を推進するコンソーシアムが米国で設立され、ニューヨーク州にパイロット施設を建設する計画が明らかになった。この動きについてVan den Hove氏は、「IMECを出し抜こうとしたり、IMECの潜在的なビジネスチャンスを脅かしたりするものではない」と述べている。

 また、同氏は、「米国の発表は驚くべきものではなく、IMECの計画への影響も無い。450mmウエハーへの移行に伴う課題は、1つのグループだけで全て解決できるものではない」とも語っている。「われわれはパートナー企業と詳細な議論を重ねてきた。彼らが450mmウエハーを必要としていることを十分に認識しているし、450mmウエハーへの移行計画は円滑に進んでいる」(Van den Hove氏)。

 さらに、「IMECの450mmウエハー移行計画は、他の陣営が発表した計画に比べると慎重なアプローチを採っている。しかしこれは、われわれが考える中では最も楽観的なスケジュールだ」と付け加えた。

 IMECは、2010年に拡張した既存の300mmウエハー処理施設で、2012年にも450mmウエハー装置のテストを開始する予定だという。450mm処理施設のフル稼働は、2015年以降になる見通しだ。ただし、それには、少なくとも10億ユーロの資金が必要となるという。

 幸い、緑に覆われたIMECの敷地内には、新たなファブを建設するスペースが十分に残っている(図1)。

図1 緑あふれるIMECの敷地
図1 緑あふれるIMECの敷地

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