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脳を光らせて働きを解明――欧州最大の独立研究機関が最新状況報告(前編)ビジネスニュース フォトギャラリー(5/6 ページ)

世界有数の研究機関として知られるベルギーのIMEC。現在もさまざまな研究プロジェクトが進行中だ。今回は、450mmウエハーへの移行計画や、魚を用いた脳の働きの研究など、いくつかのプロジェクトを、写真を交えて紹介する。

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UWB技術を再び市場へ

 数年前、UWB(Ultra Wide Band)技術は、ワイヤレスUSB向けの伝送技術に求められるデータ伝送速度やコストなどの基準を満たすことができず、結局普及を進めることはできなかった。大々的に宣伝されたものの、その後倒産に追い込まれる新興企業もあった。

 IMECは現在、ある特定の用途にターゲットを絞ることで、このUWB技術をこれまでとは少し異なる形で復活させようとしている。IMECの研究者であるKathleen Philips氏(図9)は、ステレオヘッドセットをMP3プレーヤやスマートフォンに接続するという用途を狙った、インパルス応答方式のUWB技術を紹介した。

図9 IMECのKathleen Philips氏
図9 IMECのKathleen Philips氏

 IMECは、この用途に向けて、90nmプロセスを適用したチップセットの試作品を開発した(図10)。その伝送速度はBluetoothやZigBeeを上回り、消費電力量は無線LANよりも低いという。

 IMECの研究グループは、2012年2月に開催される半導体回路技術の国際学会「ISSCC(IEEE International Solid-State Circuits Conference)」において、今回の開発に関する論文を発表する予定だ。Philips氏によると、6mWの消費電力でメガビット/秒クラスの伝送速度を実現するチップセットを実証するという。

 全てが順調に進めば、研究グループは、屋内のロケーションベースサービスに向けたチップセットを、2013年に発表する予定だという。

図10 チップセットの試作品
図10 チップセットの試作品

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