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広がり始めたNFCの用途、今後はスマートポスター向けの出荷が急成長ビジネスニュース 市場予測

決済サービスに利用するという印象が強いNFCだが、その用途は他の分野にも急速に広まっている。

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 近距離の無線通信技術であるNFC(Near Field Communication)に対応したICタグ(以下、NFCタグ)のサービスプロバイダやメーカーにとって、スマートポスターやモバイルマーケティングは最大のビジネス機会を見出せる分野である。市場調査会社である米国のABI Researchによると、「これらの分野はNFCの市場として急速に成長している。現時点でも既にNFCタグの半数以上は、これらの分野に向けて出荷されているが、2016年にはNFCタグの出荷全体の70%以上を占めるようになる」という。

 NFCを用いれば、現金での支払いを伴わない決済サービスが実現する。このようなサービスには関心が高まっており、Avery Dennison、Identive、UPM Raflatacといった企業は、同市場をターゲットとして開発した製品を既に発売している。NFCを用いた決済サービスの市場は、今後5年間で2億9800万米ドル規模に成長する見込みである。

 ABI ResearchのセキュリティおよびIDグループでディレクタを務めるJohn Devlin氏は、「大手企業も、NFCを用いたスマートポスターや情報読み取りサービスを展開し始めている。GoogleやNokia、RIM(Research In Motion)といった企業の他、革新的な技術を有するモバイル通信事業者も、NFCを利用した新しいビジネスモデルを探求している」と述べた。

 NFCタグは、価格に敏感な分野や、消費者の動向の変化に即座に反応する必要がある分野で展開されるサービスに向いている。NFCタグを導入することにより、消費者の要望に応じてサービスを調整することもできる。このようなメリットに加え、インフラを新たに設置する必要がほとんど無いということを考慮すれば、NFCは、スマートポスターや情報読み取りサービスに極めて適した技術だといえる。また、NFCは、Bluetoothやロケーションベースのサービスに比べると、消費者が自らの意思で利用するかどうかを選択できる、いわゆるオプトインの性質を持っていることも利点だろう。

ABI Researchが最近発表した調査リポート「NFC Tags」では、NFCタグの主な用途の需要や有用性を予測/検証している。主な用途としては、スマートポスターや情報読み取りサービスの他、出退勤記録、インフォテインメントサービス、パーソナライズサービス、決済サービスなどが挙げられている。

【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】

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