NFC普及に一役買えるか、Android 4.0向けのプロトコルスタックがオープンソースで登場:無線通信技術 NFC
Android 4.0には、NFCをサポートする新機能が搭載されている。NFCチップメーカーがAndroid 4.0向けのプロトコルスタックを発表したことで、同規格の普及がさらに進むかもしれない。
NFC(Near Field Communication)チップを手掛けるファブレス半導体企業であるフランスのInside Secureは、Android 4.0(Ice Cream Sandwich)向けにオープンソースのNFCプロトコルスタック「Open NFC 4.3.3」を発表した。Open NFCのウェブサイトから、ロイヤリティフリーでダウンロードできる。
Open NFC 4.3.3は、Android 4.0の互換性を定義した仕様書であるCompatibility Definition Document(CDD)に準拠し、NFCのAPI(Application Program Interface)と機能を提供する。このため、NFC非対応のハードウェアにも、NFC機能を実装できるようになる。さらに、Android 4.0の新機能である「Android Beam」や「WiFi Direct」もサポートしているという。
NFCは、13.56MHzの周波数帯を使用した近距離無線通信規格で、データ伝送速度は約500Kビット/秒である。プリセット情報が格納されたパッシブタブをサポートする。今後は、スマートフォンでの電子決済にも広く利用されると期待されている。このほか、出入管理や交通機関の支払い、ヘルスケア、情報収集/交換、クーポンなど、幅広い用途が見込まれる。
Open NFC 4.3.3は、HAL(Hardware Abstraction Layer)を特定のハードウェア向けに調整する必要があるが、Inside Secureは、同社のNFCチップ「MicroRead」と「SecuRead」向けのHALをオープンソースで提供している。
Inside SecureのCOO(最高執行責任者)であるCharles Walton氏によれば、「Open NFCは既に、数百万台のスマートフォンに採用されている」という。
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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