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TSMCが28nmプロセス技術で苦戦か、アナリストが指摘ビジネスニュース 企業動向

TSMCが28nmプロセスの順調さを強調する一方、アナリストは「同社の28nmプロセスは歩留まりに問題を抱えているとみられる」と指摘する。

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 英国の市場調査会社であるFuture Horizonsで技術アナリストを務めるMike Bryant氏によると、台湾のファウンドリ企業であるTSMCは、28nmプロセス技術に問題を抱えているという。複数の企業がTSMCに対し、28nmプロセス技術による半導体製造を発注しているが、現時点では、28nmプロセスを用いた量産体制は整っていないとみられる。

 Bryant氏は、Future Horizonsが2011年1月に開催した市場予測会議で「TSMCは、7つの企業から10種類のチップの製造発注を受けているが、現時点で製造されている半導体は1つもない。TSMCはこれら10種類のチップの処理を進めているが、そのうち6つは製造に何らかの問題が生じていると聞いている」と語った。同氏の見解は、米国の市場調査会社であるGartnerでリサーチ担当バイスプレジデントを務めるBob Johnson氏が2011年11月に語った内容と一致している。

 しかし、Bryant氏の説明は、TSMCのCEO(最高経営責任者)兼会長を務めるMorris Chang氏の発言とは180度異なっている。Chang氏は先日、同社の2011年第4四半期の財務状況についてアナリストに次のように語った。「当社は2011年に28nmプロセス技術による量産を開始しており、2011年第4四半期のウエハー売上高のうち2%が28nmプロセス技術を適用したものだった。28nmプロセスの欠陥密度の低減や技術の向上は当初の予定より早く進んでおり、40〜50nmプロセスを立ち上げたときよりも順調だ。2012年中には28nmプロセスによる量産体制を確立し、同プロセスで製造したウエハーの売上高が、2012年におけるウエハー売上高の10%以上を占めるようにしたい」(Chang氏)。

 これに対し、Bryant氏は「Intelは32nmプロセス技術で明確なリーダーシップを示しているが、TSMCは、Intelに追いつくことを急ぐあまり、戦略を誤ったのではないか」との見解を語った。一方、Samsung ElectronicsについてBryant氏は、「20nmクラスのプロセス技術を採用したメモリを量産しており、28nmプロセスの低消費電力ロジック回路の開発にも成功しているという」と述べている。

 TSMCは、Samsung Electronicsとは対照的に、GLOBALFOUNDRIESと同じような状況に陥っているようだ。GLOBALFOUNDRIESが32nm/28nmプロセス技術に問題を抱えていたことから、同社の主要顧客であるAMD(Advanced Micro Devices)は2011年に発注先をTSMCに変更している(関連ニュース)。Bryant氏は、今回の市場予測会議で「TSMCの28nmプロセス技術は、GLOBALFOUNDRIESよりも歩留まりが悪いのではないかといううわさもある」と述べた。

 また、Bryant氏は、「プロセス技術におけるIntelの圧倒的なリードが、ファウンドリ各社にプレッシャーを与えているのは明らかである」と語った。

【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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