LTEインフラへの投資額が急増、2015年には360億ドル超に:ビジネスニュース 市場動向
世界各国でサービスの開始が相次いでいるLTE。LTEインフラへの投資額は今後は増加の一途をたどり、2013年には3.5Gインフラへの投資額を上回ると予想されている。
米国の市場調査会社であるIHS iSuppliによると、4G(第4世代)の通信規格であるLTE(Long Term Evolution)への設備投資額は、2012年に87億米ドルに達し、2013年にはその約3倍となる243億米ドルに増大する見込みだという。
iSuppliの予測によれば、2013年における3.5G(第3.5世代)のインフラへの設備投資額は、198億米ドルに達するとみられる。しかし、同年におけるLTEインフラへの設備投資額は、これを上回る見込みだ。LTEインフラへの設備投資額が3.5Gのインフラへの投資額を上回るのは、初めてのことになる。
LTEインフラへの設備投資額は今後、増加の一途をたどり、2015年には361億米ドルに達するとみられる。一方、同年の3.5Gインフラへの設備投資額は、90億米ドルにとどまる見込みだ。
iSuppliのディレクタで、通信/家電部門の主席アナリストを務めるJagdish Rebello氏は、「3.5Gは現在も、モバイルインフラ市場において、重要な無線インタフェースとしての位置付けを確保しているが、LTEがそれに迫る勢いを見せている」と説明する。
Rebello氏によると、こうした傾向は2009年後半に現れ始めたという。欧米や日本、韓国などで、一部の無線通信事業者がLTE技術の導入を開始した時期だ。世界の携帯通信事業者のうち、LTEネットワークを試験的に運用したり、導入を完了して商用化を開始している事業者の数は、2010年には約160社だったが、現在では約200社に増加しているという。
Rebello氏は、「このように幅広いサポートが展開されることにより、2013年には、通信キャリアによるLTEの設備投資額が3.5Gを上回るとみられる」と述べている。
また、LTEは、インフラ機器メーカーや半導体メーカーにとって、売上高を大幅に増加させる可能性を秘めているという。ただしRebello氏は、半導体メーカー各社が、LTEによってもたらされる半導体およびハードウェアアーキテクチャ関連の課題や要求に対応できるよう、体制を整えておくことが不可欠だと警告する。
将来的には、4Gネットワークは、メトロセルのような、よりヘテロジニアスなアーキテクチャに進化すると言われている。メトロセルは、大量のデータトラフィックが発生するエリアにおいて、カバーエリアの増強や穴埋めに活用されるようになる。このようなメトロセルはスモールセルとも呼ばれ、無線LANのホットスポットと併用することによって、公共スペースにおけるカバーエリアを拡大できると期待されている。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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