DRAM大手のエルピーダが会社更生法の適用を申請、自主再建を断念【追加情報あり】:ビジネスニュース 企業動向
エルピーダメモリが会社更生法の適用を申請する方針を固めたもようだ。同社は5四半期連続で最終損失を計上するなど厳しい財政環境にあった。
2012年2月27日、新聞/通信各社は、DRAM大手のエルピーダメモリが会社更生法の適用を申請する方針を固めたと報道した。
同社は、円高やDRAM価格の暴落などにより、2011年10〜12月期までの5四半期連続で最終損失を計上するなど厳しい財政環境にある。日本政策投資銀行などから受けていた約1000億円の融資の基礎となる、産業活力再生法の期限が2012年3月末で切れることもあり、同じくDRAM大手である米Micron Technologyなどと提携することにより、同法の期限延長を目指すなど自主再建に取り組んでいた(関連記事)。
なお、会社更生法は、再建型の倒産処理を行う際の手続きを定めた法律である。再建型の倒産処理は、企業を解散する清算型とは異なり、事業継続を前提としている。
【追加情報】(2012年2月27日17時20分)
エルピーダメモリは、会社更生法の適用について東京地方裁判所に申請し、受理されたことを発表した(関連リンク:エルピーダメモリの発表資料(PDF形式)「会社更生手続開始の申立てに関するお知らせ」)。同時に、連結子会社である秋田エルピーダメモリについても会社更生法の適用を申請している(関連リンク:エルピーダメモリの発表資料(PDF形式)「当社子会社の会社更生手続開始の申立て及び債権の回収不能に関するお知らせ」)。
申請理由としては、2010年以降続いている歴史的な円高、DRAM製品価格の急落、2011年夏に発生したタイの大洪水によるDRAM需要の低迷などを挙げている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- Micronとエルピーダ、提携すればDRAM業界は再編へ
Samsungがトップをひた走るDRAM業界だが、Micronとエルピーダの提携が実現すれば、そのSamsungを脅かす存在となるだろう。 - MicronのCEOが事故死、エルピーダとの提携に暗雲か
Micronを長年率いてきたCEOの事故死は、業界に多大な影響を与える可能性がある。最も影響を受けると予想されているのが、現在、多額の負債を抱えながら再建に取り組んでいるエルピーダだ。 - エルピーダメモリが業績悪化に対する緊急対策を発表、台湾への生産移転も検討
DRAM大手のエルピーダメモリが、急激な円高とDRAM市況の悪化に対応するための緊急対策を発表した。広島工場の生産能力の一部を、台湾の生産子会社に移転することも検討している。