「光FPGA」の実動デモをAlteraが披露、100GbEのトラフィックを伝送:プログラマブルロジック 光ファイバー
FPGA大手ベンダーのAlteraは、光インタフェースを搭載したFPGAを開発し、その動作デモを実演した。通信機器内でFPGAが入出力する高速データの伝送を、銅線を使った電気通信から光ファイバーを利用する光通信に置き換えることを狙う。ネットワークインフラの帯域幅の急拡大に対応する取り組みだ。
FPGA大手ベンダーのAltera(アルテラ)は2012年3月8日(米国時間)、光インタフェースを搭載したFPGAの動作デモを実施したと発表した。このデモは2011年第4四半期に一部地域の顧客向けに実施した他、2012年3月6〜8日に米国のロサンゼルスで開催された光ファイバー通信関連の国際会議兼展示会「Optical Fiber Communication Conference and Exposition(OFC)」でも公開した。同社によると、こうしたデモは「世界初だ」という。
Alteraのこの光インタフェース搭載FPGAは、ネットワークインフラの帯域幅の急拡大に備え、通信/ネットワーク機器の内部におけるデータ伝送の速度を高める取り組みの1つである。FPGAが入出力する高速データ信号の伝送方式を、銅線を利用した従来の電気通信から、光ファイバーを使う光通信に置き換えることを目指している。同社はこの「オプティカルFPGA」のコンセプトを2011年3月に発表し、銅配線による伝送が著しく困難になる、28Gビット/秒超の領域での適用を視野に入れると説明していた。今回の発表で、その進展を明らかにした格好である。
光インタフェースをFPGAに実装する方法はこうだ。すなわち、FPGAのダイと光/電気変換回路(光トランシーバ)を組み合わせて単一のパッケージにまとめる。光トランシーバの電気信号入出力側とFPGAのダイに集積した高速シリアルインタフェースをパッケージ内でつなぎ、光トランシーバの光信号入出力側はパッケージの側面に設けた光ファイバーコネクタ用スロットに接続する構成である。
今回のデモでは、同社の40nm世代FPGA「Stratix IV」を使った100Gビット/秒システム向け開発キットを基に、Avago Technologiesの光トランシーバモジュール「MicroPOD」の12チャネル品をFPGAに統合したテストボードを利用した。
このテストボード上で、FPGAに実装した100Gビット/秒イーサネット(100GbE)のデータトラフィック生成回路を用いて、サイズがさまざまに異なるパケット信号を発生させている。その信号をいわゆるループバック構成で送受信して伝送品質を評価してみせた。すなわち、トラフィック生成回路の出力信号をFPGAに集積した高速シリアルトランシーバを介して光トランシーバに送って光信号に変換し、光ファイバーを経由させてから再度、光トランシーバで受け取って電気信号に戻す。それを再び高速シリアルトランシーバで受信し、ビット誤り率(BER)を観測する。その結果、BERは10−12以下に抑えられたという。
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