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ST-Ericsson、プロセッサ部門をSTMicroelectronicsに譲渡へビジネスニュース 企業動向

売却秒読みとみられていたST-Ericssonは、同社のプロセッサ部門をSTMicroelectronicsに譲渡する計画を明らかにした。同時に他の事業部門でも縮小/統合を図り、1700人のリストラを敢行する予定だという。

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 ST-Ericssonは、新しい戦略の方向性を示すガイドラインを発表し、最大1700人の従業員を解雇することで損益分岐点の引き下げを目指す考えであることを明らかにした。同社は、STMicroelectronicsとEricssonが設立した合弁会社であり、携帯電話機向け半導体チップを手掛けているが、赤字経営の状態が続いている。

 またST-Ericssonは、同社のスタンドアロンのアプリケーションプロセッサ部門をSTMicroelectronicsに譲渡するとしている。ただし、スマートフォンおよびタブレット端末向けプラットフォーム分野に関しては、主導的な地位獲得を目指す考えであることを明言した。この目標を実現させるには、ST-Ericssonがスマートフォンおよびタブレット端末に向けた完全なシステムソリューションを提供できるかどうかにかかっている。特に、モデムを統合したアプリケーションプロセッサの市場は競争が激しく、同市場で勝ち抜くことができるかが重要になるだろう。

 モバイル機器の構成要素(ビルディングブロック)としては、アプリケーションプロセッサやモデム、無線接続機能、電力管理機能、RF回路、アナログ/ミックスドシグナル機能などが挙げられる。これらの開発については、ST-Ericssonまたはパートナー企業のいずれかが担当し、組み立てに関してはST-Ericssonが行うことにより、市場投入までの時間短縮を目指していく。その一方で、ST-Ericssonは引き続き、モデムIP(Intellectual Property)の開発や、薄型モデムの販売、サードパーティ企業へのモデムIPのライセンス供与なども手掛けていくという。

 ST-Ericssonは既に、アプリケーションプロセッサ事業部門とその従業員をSTMicroelectronicsに移管することで合意している。STMicroelectronicsとの間でライセンス供与契約を締結し、モデムを統合したアプリケーションプロセッサの開発に取り組んでいく。ST-Ericssonのアプリケーションプロセッサ研究開発チームは、暫定的に費用を分担しながら、今後も製品の開発を手掛けていくという。

 またST-Ericssonは、この他の事業規模を大幅に縮小して整理統合することにより、2012年の一般販売費と管理費を2011年比で25%削減することを目指す。

 同社は、世界全体で1700人の従業員を解雇し、その一部をSTMicroelectronicsに移行する予定だ。今回の人員整理と既存の事業再建計画を遂行することにより、1年間で3億2000万米ドルのコスト削減効果を見込めるという。リストラ費用は最終的に、合計で約1億3000万〜1億5000万米ドルになる見込みだ。

 ST-Ericssonで社長兼CEO(最高経営責任者)を務めるDidier Lamouche氏は、発表資料の中で、「ST-Ericssonは、スマートフォンやタブレット端末向けに、完全なモバイルプラットフォームを開発および統合できる実力を持っている。今後はそれに注力することで、最先端のモデムIP分野における優位性を確保していきたい。顧客企業の期待に応えられる世界トップクラスの技術とサービスを提供したい」と述べている。

 また、STMicroelectronicsのCEOを務めるCarlo Bozotti氏は、同じ発表資料の中で、「今回の譲渡により、既存の製品シリーズを拡充できるだけでなく、さまざまなデジタル分野において幅広い顧客層を獲得することも可能になる。さらに、マルチメディア統合事業分野をけん引するSTMicroelectronicsの地位を強化するとともに、収益の向上も期待できる。当社としては、ST-Ericssonの新しい戦略を大いに歓迎している」と述べている。

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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