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ミリ波のすそ野が広がる、市場をけん引する3つの要因無線通信技術 ミリ波

 「周波数のひっ迫」や「発展途上国のインターネット人口の拡大」、「防衛・宇宙分野の堅調な伸び」といった市場背景が、ミリ波の無線通信市場をけん引している。

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 これまで防衛・宇宙といった限られたアプリケーションに使われてきたミリ波(30〜300GHz)領域のすそ野が広がっている。高周波分野の測定器や設計ツールソフトウェアを手掛けるアジレント・テクノロジーによれば、市場をけん引する3つの要因があるという(関連記事)。

ミリ波領域の最新動向は!?

60GHz帯を使う無線通信方式「IEEE 802.11ad」や「WiGig」が実用化段階を迎えている。詳しくは、「超」高速無線LANがやってくる、IEEE802.11ac/adが変えるモバイルの世界(技術編)をチェック!



 1つ目は、「周波数のひっ迫」である。6GHz以下の周波数帯が混雑していることを背景にミリ波、例えば60GHz帯を活用する機運が高まっている。60GHz帯は最大9GHz幅の周波数を免許不要で使えることが大きな特徴で、これを使えば1Gビット/秒を超えるような高速通信を実現できる。60GHz帯を使う無線通信方式が実際に幾つか提案されており、具体的には「Wireless HD」や「WiGig」、「IEEE 802.11ad」がある(関連記事)。

 2つ目の要因は、「発展途上国の動向」である。ここ最近、発展途上国でもインターネットの利用人口が爆発的に増えている。日本ではインターネット網を実現するのに光インフラを使うことが多いが、途上国では18〜20GHz帯、または30GHz帯のミリ波のポイント・ツー・ポイント(P2P)通信を使うことが多いという。

 3つ目の要因は、「防衛・宇宙分野の堅調な伸び」である。例えば、レーダーや衛星通信などに応用されている。

図
ミリ波市場をけん引する3つの要因 出典:アジレント・テクノロジー

 アジレント・テクノロジーによると、上記の他にも、ミリ波を使う用途として将来の実用化に向けた検討が進んでいるものが幾つかある。「40GHz帯を使った列車無線」、「120GHz帯を使った超高精細映像の無線伝送」、「80GHz帯を使ったP2P無線」、「20GHz帯を使った衛星通信」などがあるという。

 こうした背景から同社は2012年5月、ミリ波関連の研究開発やミリ波採用製品の量産が本格化すると見込み、「高精度ミリ波測定を身近に」を製品コンセプトに掲げたスペクトラムアナライザ「N9010A EXAシリーズ」を発売している。ミリ波デバイスの設計や検証に十分使える性能を実現しつつ、従来機に比べて価格を大幅に下げたことが特徴である(詳報はEDN Japanへ)。

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