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電池をてこに勝ち残る、NECのエネルギー事業ビジネスニュース 企業動向(2/3 ページ)

NECは、スマートエネルギー事業をITソリューション、キャリアネットワーク、社会インフラに続く第4の柱に育てていく計画だ。NECグループ内にある二次電池や電気自動車の充電システム、ICTを利用した管理システムなどの技術・製品をまとめ上げ、2017年には売上高3000億円を目指す。中核となるのは「中型電池」だ。

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車載から始まり、中型電池へ

 NECはさまざまな電池のうち、中型電池が蓄電システムの中核となると判断した。なぜだろうか。「まず小型電池が家庭に入っていくが、管理コストなどの要因により、やがて、集合住宅で1個、地域単位で1個というように中型電池に集約していくと考えている。系統と接続する大型電池は各国の政策に左右されやすいため、見込みがたちにくい」(國尾氏)。

 冒頭の発言にあるように、NECの蓄電システムの強みは、AESCの車載用ポリマーリチウムイオン二次電池にある(図4)。これを出力1k〜15kWの小型電池、出力60kW程度の中型電池、出力が最大150MWの大型電池に展開していく。電池セルの形状や特性は異なるものの、基本的にはAESCの車載用と同じものだ。


図4 日産自動車の電気自動車「リーフ」に搭載するリチウムイオン二次電池セル。これを例えば4枚並列に接続して直方体の容器に封入し、リチウムイオン二次電池モジュールとして使う。車載以外の小型電池や中型、大型電池でも同様の使い方を進めている。

 小型電池は既に製品化が進んでいる。NECは2012年3月に容量5.5kWhの「家庭用蓄電システム」を発表(関連記事)、NECグループの高砂製作所は、2012年5月に6.5kgと軽い可搬型の事務所用「ポータブル電源」を製品化している。

 中大型電池は実証実験などで性能を評価している段階である。経済産業省が委託した横浜スマートシティプロジェクト(YSCP、関連記事)では、容量250kWhと50kWhの試作機を導入済みだ(図5)。


図5 YSCPで導入した中型蓄電システムの構造 JX日鉱日石エネルギーと協業し、次世代ガソリンスタンド向けの蓄電・充電統合システム(BCIS)を開発した。「一度に複数台のEVが急速充電することを考えたとしても、配電ブロックの電圧が下がらず、ガソリンスタンドの契約アンペア数を増やすことなく対応できることがメリットだ」(NEC)。車載電池のような箱形モジュールを96直列した後、4並列している。装置全体の端子間電圧は396.3V。

 大型電池は、BEMS(Building and Energy Management System)の一要素としてビル内の電力デマンドレスポンスを担ったり、変電所においてCEMS(Cluster Energy Management System)を構成したりするという。CEMSにおいては、蓄電SCADA(Supervisory Control And Data Acquisition)が重要であるとした。いずれもYCSPで導入済みである。

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