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Androidのコミュニティ、Appleの勝訴に戦々恐々ビジネスニュース オピニオン

スマートフォンやタブレット端末の特許をめぐる訴訟において、米国の連邦裁判所ではAppleがSamsungに勝訴した。Android製品を手掛けるメーカーにとっては、大いに懸念すべき状況となるだろう。

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 2012年8月24日、米国カリフォルニア州サンノゼの連邦裁判所において、AppleがSamsung Electronicsに勝訴した。これを受け、戦々恐々としているのがAndroidのコミュニティだろう。これによって、Appleは法的な武器を手にしたことになる。今後は、「iPad」や「iPhone」の工業デザインやユーザーインタフェースについてAndroidを支持する競合先と争う際に、法廷内でも法廷外でも、この武器を巧みに使えるようになる。

 Androidベースの携帯電話は、HTC、Motorola、Samsungなどの成功を受け、今やiPhoneを大きく上回る市場シェアを占めている。一部の市場専門家たちは、Amazon、Google、SamsungなどのAndroidタブレット端末もまた、いずれiPadを上回ると見込んでいる。

 しかしながら、今回の判決は、この勢力バランスと市場の方向性を変え得る新しい動きを生み出した可能性がある。

 サンノゼの陪審団は、訴訟対象であるSamsungのスマートフォンの多くが、iPhoneの工業デザインとアプリケーション画面に関する3つの意匠特許(D593,087、D618,677、D604,305)を侵害しているとの判決を下した。また、Samsungのスマートフォンとタブレット端末の多くが、iPhone/iPadのソフトウェアのルック&フィール(外観および操作感)に関する3つの実用特許(US7,469,381号、US7,864,163、US7,844,915)を侵害していると述べた。

 Samsungは世界有数の専門家を証人として法廷に呼び、同社が「先行していた」と主張する技術の例を数多く挙げて訴えたが、陪審団は前述のAppleの特許は有効であると判断した。また、Appleは、Samsungのスマートフォンが、初代iPhoneと「iPhone 3GS」の登録済みおよび未登録のトレードドレス*1)を侵害していると主張していた。陪審団は、この主張も支持している。

*1)トレードドレスとは、米国で知的財産権の1つとして保護される、商品のデザインあるいは全体的なイメージを指す。

 ただし、サンノゼの陪審団は、iPad関連の意匠特許(D504,889)については、「Samsungは同特許を侵害していない」という判決を下した。陪審団は、この特許は有効ではあるものの、比較的弱い特許であることを示唆している。

 だが、結果としてAppleの実用特許や意匠特許が、今後、Androidをはじめとする競合製品や、iPad/iPhoneに類似した製品に対して訴えを起こした際に、有効に使える“武器”となったことは間違いないだろう。

 携帯電話の特許係争を追い続けている専門家のFlorian Mueller氏は、「この判決は、Appleが世界中で繰り広げている特許訴訟の取り組みを後押しする」と述べる。「判決の影響を即座に受けるのはSamsungだけだとしても、Androidに対応した製品を手掛ける企業にとって、今回の判決は懸念すべき事項になるだろう。工業デザインだけでなく、マルチタッチなどのユーザーインタフェース部分についても特許の権利を行使できることを、Appleが法廷で証明してしまったからだ」(Mueller氏)。

【翻訳:山内幸代、編集:EE Times Japan】

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