より“スマート化”する家電たち、赤外線やNFCの利用で:CEATEC 2012
スマートフォンやタブレット端末から操作できる家電が次々に発売されている。CEATEC 2012では、他の家電を赤外線で操作できるお掃除ロボットや、スマートフォンからNFCを介して動作モードを設定できる洗濯機などが展示された。
スマートフォンやタブレット端末で家電を操作するデモンストレーションは、2012年1月に開催された家電関連の総合展示会「2012 International CES」でも、さかんに行われていた(関連記事:「テレビを見ながらスマホで洗濯機を回す、SamsungがWi-Fi付き家電を提案」)。日本でも、スマートフォンなどで操作できる家電が続々と販売され始めている。
家電の操作もお任せのお掃除ロボ
シャープは「CEATEC JAPAN 2012」(2012年10月2日〜6日、幕張メッセ)で、2012年5月に発表した掃除ロボット「COCOROBO(ココロボ)」でエアコンを操作するデモを披露した。
COCOROBOは、シャープが開発した人工知能「ココロエンジン」を搭載しており、音声でも操作できる他、「おはよう」、「おやすみ」などの簡単な会話を楽しむことができる。また、カメラを内蔵しているので、COCOROBOを無線LANに接続すれば、COCOROBOのカメラで撮影した画像を、スマートフォンで確認することが可能だ。
今回は、赤外線送受信機を搭載したコントロールユニットをCOCOROBOのUSBポートに取り付け、外出先からエアコンをオンにするというデモが披露された。また、COCOROBOと家族間のコミュニケーションが行えるメッセージサービス「こころぼ〜ど」も紹介された。
例えば、COCOROBOが「お部屋が35℃もあって暑いよ〜」というメッセージをこころぼ〜どに送信する。外出先でスマートフォンからそのメッセージを確認したユーザーが、「エアコンとファンをつけて」とこころぼ〜どに送信すると、COCOROBOがエアコンの近くに移動し、電源を入れる。赤外線リモコンで動作する家電であれば、操作が可能だという。
家電の運転モードはスマホで設定、タッチで送信
パナソニックは、スマートフォンでも操作できる家電群「スマート家電」を披露した。
同社のスマート家電の大きな特長の1つが、家電とスマートフォンの接続に、近距離無線通信技術であるNFC(Near Field Communication)を利用していることだ(関連記事:「「クラウドとNFCで家電が変わる」、パナソニックがスマート家電を一挙発売」)。
洗濯機を例にとると、専用のアプリにアクセスし、「日常のお洗濯」、「泥汚れをしっかり選択」など洗濯のモードを設定する。スマートフォンを洗濯機にタッチさせると、その設定が洗濯機に送信される仕組みだ。使用する洗剤や柔軟剤の種類(商品名)を登録しておくと、洗剤/柔軟剤の量も自動的に計算し、「0.5カップ入れる」などと表示される。
なお、スマートフォンを使って操作する場合、NFCに対応している機種しか使えないので、Appleの「iPhone」などは現時点では使用できない。
パナソニックは2012年9月、スマートフォンを使って外出先から遠隔操作できることを特長の1つとする、発売予定の新型ルームエアコン(関連記事)から、その機能の一部を削除すると発表した(同社のプレスリリース)。経済産業省から、「電波を利用した、外出先などからの遠隔操作における、運転オンの機能」について、電気用品安全法に適合しないと指摘を受けたことが理由だ。
今回のCEATECでシャープが行ったデモは、「外出先からスマートフォンを使って家電を遠隔操作する」というコンセプトは同様だが、シャープの担当者は、「今回のデモはあくまでコンセプト展示で、商品化についても未定である。法的な内容については何とも言えない」とコメントしている。
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