ムーアの法則はもう限界? リソグラフィ技術開発が追い付かず:ビジネスニュース 業界動向(2/2 ページ)
半導体の技術革新の源となってきたムーアの法則だが、さすがに限界が見え始めている。その原因の1つがリソグラフィ技術開発の遅れだ。
例えばSRAMは、EUVリソグラフィ技術なくしては、14nmに微細化することは不可能だと言われている。これは、各機能の回路を隣接して配置するには、マルチパターニングでは限界があるためだ。
Ronse氏は、「EUVリソグラフィ技術が確立されれば、ムーアの法則に追い付くことができる。現在、EUVリソグラフィ用の光源は、さまざまな材料を使って開発が進められている。近い将来、EUVリソグラフィ技術が確立されることは間違いないが、2年以内の実用化はかなり厳しい」と述べている。
IntelとTSMCは最近、EUVリソグラフィ技術の実用化に向け、ASMLに数十億米ドルの投資を行うことを明らかにした。
またIntelは、2013年に14nmノード、2015年に既存の液浸リソグラフィ技術で10nmノードを実用化する計画も明らかにしている。Intelは、「EUVリソグラフィ技術の導入が2015年に間に合わない場合、液浸リソグラフィのパターニングを従来の5倍に増やして回路パターンを形成する」としている。この方法には時間とコストがかかるが、それでも半導体製造の効率化は図れるという。
IMECはASMLのNXE 3100の導入以降、現在までにスループットを60%以上高めたという。Ronse氏によると、「最初の6カ月は安定した精度を得られなかった。旧型の光源に問題があったため、スループットが50%から10%に落ちたこともあった」という。
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
関連キーワード
ASML | Intel | 14nmプロセス | 半導体 | TSMC | ムーアの法則 | 技術開発 | 業界動向(エレクトロニクス) | ビジネスニュース(EE Times Japan)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- IntelがASMLに41億ドルの資金投資、EUVリソグラフィ技術の開発加速を狙う
10nmノードに向けたリソグラフィ技術を、2015年には導入したいIntel。ASMLに資金を提供することで、EUVリソグラフィ技術と450mmウエハー製造技術の開発を促進する考えだ。 - TSMC、ASMLの研究開発プログラムに14億ドルを投資
ASMLは、同社の株式の最大25%を売却して研究開発資金を調達しようとしている。25%のうち15%はIntelが取得することで合意している。今回は、TSMCが5%を取得することを発表した。 - TSMCの14nm世代への移行は遅れる可能性も、「原因は経済的な問題」
TSMCの14nmプロセスへの移行が、スケジュール通りにはいかない可能性が出てきた。同社のShang-Yi Chiang氏は、この原因を「技術的な問題というより、経済的な問題である」とし、「リソグラフィ技術の選択について決断を急ぐ必要がある」と語った。