HPとLenovo、PC市場トップの座をめぐりデッドヒートに:ビジネスニュース 業界動向(2/2 ページ)
2012年第3四半期のPCの出荷台数において、Hewlett-Packard(HP)とLenovoが首位を争っているという。長引く低迷が懸念されているPC市場だが、回復の兆しも見えている。
PC市場は深刻な低迷状態に
アナリストは以前、2012年第3四半期におけるPCの出荷台数は減少すると予測していた。Microsoftの最新OS「Windows 8」が2012年10月26日に発売を控えているのを受け、消費者はPCの購買を先送りし、販売パートナーは在庫調整を行うとみられていたためだ。しかし、PC出荷台数の減少規模は、多くのアナリストの予測を上回り、深刻な状態に陥っている。
IDCでWorldwide PC Tracker Program部門のシニアリサーチアナリストを務めるJay Chou氏は、「PC業界は、極めて深刻な低迷状態に陥っている。2012年第2四半期の厳しい状況を何とか乗り越えたものの、第3四半期は一段と悪化している」と述べている。
Chou氏によると、PC市場の成長を阻害する要因としては、世界経済の低迷や、PC市場が飽和状態にあること、PCの買い替えサイクルの長期化などが挙げられるという。さらに、「PC市場において目玉となる製品はいったい何なのか」、という重要な問いに対する答えがまだ出ていないことも、大きな要因だろう。機器メーカー各社は、変化し続ける消費者の好みに対応すべく、タブレット端末で最も人気が高い機能を搭載した超薄型ノートPCや、Ultrabookなどを次々と投入した。だが今のところ、こうした製品の売上高は伸び悩んでいる。
Chou氏は、「Ultrabookの販売価格は多少なりとも下がってきたが、2012年第4四半期に登場するWindows 8に対処するためには、さらに大きな困難を乗り越えなければならない」と述べている。
Gartnerで主席アナリストを務めるMikako Kitagawa氏によると、「小売業者は2012年第3四半期に、新学期商戦の売上高が振るわなかったことから、PCの発注を控える傾向にあった」という。
また同氏は、「小売業者は、Windows 8が2012年10月に発表されるのを前に、2012年9月末までに在庫を一掃しようとしていた。ただ、2012年第3四半期のエンタープライズ市場向けPCの売上高に関しては、Windows 8による影響は最小限にとどまっている。エンタープライズ市場では、Windows 8の発表直後に、同OSの導入が進むわけではないからだ」と述べた。
IHS iSuppliによると、PC市場は2013年には力強く回復する兆しを見せているという。同社は最近、2012年と2013年におけるUltrabookの出荷台数予測を下方修正したばかりだ。しかし、PC市場は今後、Ultrabookをはじめとする超薄型PCによって回復を期待できるだけでなく、Windows 8の発表を受けて売上高も伸びる見込みだという。
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