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AMD、15%の人員を削減へビジネスニュース 企業動向

PC向けプロセッサの売り上げ不振に苦しむAMDが、人員を削減する計画を発表した。同社は、PC市場の低迷は数四半期続くとみており、今後は組み込み市場に注力するとしている。

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 AMD(Advanced Micro Devices)は、需要の世界的な低迷と戦略の誤りによって、厳しい状況に陥っている。同社は2012年10月、コスト削減に向けて15%の人員削減を行う計画を明らかにした。これと同時に、組み込み市場への参入を積極的に進め、PCの売り上げ不振を補いたい考えだ。同社は、「PCの売り上げ低迷は、当面は続く」との見解を示している。

 AMDは、2012年第3四半期の決算に関するカンファレンスコールを行い、同期の売上高は前期比10%減となる12億7000万米ドルで、1億5700万米ドルの損失を計上したことを明らかにした。同社が以前に発表した2012年第3四半期の売上高予測では、前期比1〜3%減の13億8000万〜14億米ドルになるとしていた。

 AMDは、「約1700人の人員削減によって、2012年第4四半期に2000万米ドル、2013年に1億9000万米ドルのコスト削減を行う」としている。これにより、AMDは支出の25%を削減できることになるという。同社のCEO(最高経営責任者)であるRory Read氏は、事前に準備した声明を読み上げる形で、「ビジネスモデルを再構築し、2012年第4四半期には損益分岐点となる13億米ドルの売上高を確保したい」と述べた。

 AMDで暫定CFO(最高財務責任者)を務めるDevinder Kumar氏は、今回の人員削減について、「世界各国のあらゆる部署で実施する」ということ以外の詳細は明らかにしていない。

 Read氏は、PCセグメントは少なくとも今後数四半期にわたって低迷が続くとの認識から、組み込み市場に注力していく方針であることを明らかにした。同氏は、「IP(Intellectual Property)およびプロセッサ技術を強化し、2013年には組み込み市場での売上高を4倍に高めたい」と語った。

 同氏は、「当社は、低消費電力APU(Accelerated Processing Unit)やグラフィックスIP、再利用可能な設計ブロックなど、セミカスタムAPUの製造に有利な技術を有している。これは、組み込み市場に参入する上で、大きな強みとなる。こうした技術を、通信や産業、ゲームなどの組み込み市場にアピールしていきたい。こうした市場での売上高は、近い将来、PC市場の売上高を上回ると期待している」と述べた。

 AMDのシニアバイスプレジデントで、国際事業部門のゼネラルマネージャを務めるLisa Su氏は、「当社の主な差別化要因は、高性能の設計手法とマイクロプロセッサ技術、グラフィックスIPである」と説明を補足した。

【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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