フラッシュメモリの搭載量、2013年にスマートフォンがフィーチャーフォンを上回る:ビジネスニュース
NAND型フラッシュメモリの搭載量は、2013年にスマートフォンがフィーチャーフォンを上回るという。ただし、世界的にみればフィーチャーフォンの割合もまだ多く、フィーチャーフォン向けフラッシュメモリの出荷数はかなりの数に上る見込みだ。
米国の市場調査会社であるIHS iSuppliは、「NAND型フラッシュメモリの搭載量は、2013年に初めてスマートフォンがフィーチャーフォンを上回る」という予測を発表した。
同社によると、2013年に携帯電話機向けに出荷されるNOR型/NAND型フラッシュメモリのうち、スマートフォン向けは7億9200万個で、フィーチャーフォン向けは7億300万個と予想されるという。スマートフォン向けに出荷されるフラッシュメモリは、2012年の暫定予測である6億1300万ユニットから29%増加する見通しである。一方、フィーチャーフォン向けは、2012年の暫定予測の7億9000万個から11%減少するとみられる。
IHS iSuppliでメモリ/ストレージ部門担当アナリストを務めるRyan Chien氏は、報告書の中で、「2012年の世界モバイル機器市場では、フィーチャーフォンのシェアが最も多い状況が続くと予想される。フラッシュメモリの搭載量も、フィーチャーフォンが最も多くなる見通しだ。しかし、2013年以降は出荷台数、フラッシュメモリの搭載量共に、スマートフォンがフィーチャーフォンを上回ると予想される。これは、テクノロジー市場において、スマートフォンの影響力が拡大していることを示している」と述べている。
携帯電話機市場では今後数年間にわたり、スマートフォンが最大のシェアを獲得する見通しだ。ただし、フラッシュメモリの出荷量については、フィーチャーフォン向けもかなりの割合を維持し、2016年までは年間5億個を上回ると予想される。
フラッシュメモリの記録密度は増加傾向にある。その要因としては、ビット当たりのコストが低下していることや、顧客のニーズの変化に対応するためにフィーチャーフォンの性能が高まっていることなどが挙げられる。特に、モバイル化が急速に進んでいる発展途上国の新興市場で、こうした傾向が強いという。高密度のNOR型フラッシュメモリはコードの実行速度に優れているため、フィーチャーフォンに多く採用されている。一方、アプリケーションの実行やメディアの保存には、128MバイトのNAND型フラッシュメモリが使われることが多い。
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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