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MarvellがIEEE 802.11acの4×4 MIMO対応SoCを発表無線通信技術 IEEE 802.11ac

Marvellは、無線LAN(Wi-Fi)向けのSoC「Marvell Avastar 88W8864」を発表した。IEEE 802.11acの4×4 MIMOに対応した業界初の製品である。同製品はビームフォーミング機能を搭載しているのだが、他社の製品とは異なり、接続先のLSIが同機能を備えていなくても連携できることを特徴とする。

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 Marvell Technology Groupは2012年12月、無線LAN(Wi-Fi)向けのSoC「Marvell Avastar 88W8864」を発表した。IEEE 802.11acの4×4 MIMOに対応した「業界初」(同社)の製品だという。同製品を使用することにより、企業や小売業者などで使われるアクセスポイントのスループットが向上するとともに、無線映像配信における信頼性も高められるとしている。

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 Marvellによると、Avastar 88W8864は、前世代の製品と比べてWi-Fi通信におけるスループットを最大で3倍に向上できるという。また、負荷の大きい高速処理時における電力効率も2倍以上に高められるとしている。

 Marvellの共同創設者で、コミュニケーション/コンシューマ事業部のバイスプレジデント兼ゼネラルマネジャーを務めるWeili Dai氏は、「当社は、この画期的な製品を開発したことによって、業界をけん引していく立場になるだろう。Avastar 88W8864が実現する機能/性能は、既に極めて重要で不可欠なものになっている。消費者がWi-Fiに対して求めているのは、信頼性と堅牢性、高い性能だ」と述べている。

 Dai氏ならびにMarvellのワイヤレスマーケティング部門でディレクタを務めるBart Giordano氏によると、同社は既にAvastar 88W8864のサンプル出荷を開始しているという。ただし、量産品の供給については、Wi-FiアライアンスがIEEE 802.11acをWi-Fi対応の標準規格として正式に認定するタイミング(2013年の予定)に合わせるようだ。

 両氏によると、「無線LANの業界は、IEEE 802.11n対応製品が市場に出回り始めた当時と同じ状況になることだけは避けたいと考えている」という。IEEE 802.11nのドラフト版に基づいて開発/出荷された製品の多くは、相互に連携して動作することができなかったからだ。Giordano氏は、「そのことが理由となって、業界ではIEEE 802.11nは失敗だったと認識されている」と述べている。

 Marvellは、Avastar 88W8864の技術的な優位性として、同製品が採用しているビームフォーミング技術を挙げている。これは、IEEE 802.11acの中でも最も重要な部分であり、接続性を大幅に向上できる技術だとされている。Giordano氏によれば、「ビームフォーミング技術を採用している無線LANチップの大半は、接続先のチップも同じくビームフォーミング技術に対応していなければ機能しない。しかし、Avastar 88W8864の場合、他の無線LANチップがビームフォーミング技術を採用しているかどうかにかかわらず連携することが可能だ」という。同氏は、「ビームフォーミング技術はこれまで顧客に不評だったが、われわれのビームフォーミング技術であればメリットを提供できる」と述べた。

 Marvellは2012年初めに、IEEE 802.11acの2×2 MIMOに対応した無線コンボチップ「Avastar 88W8897」を発表していた。この製品もビームフォーミング技術を採用しており、Wi-Fiのほかに、NFC(Near Field Communication)やBluetooth 4.0にも対応している。加えて、Wi-Fiアライアンスが策定した規格であるWi-Fi CERTIFIED Miracastもサポートする。同規格は動画コンテンツの無線通信を可能にするものである。

 Marvellによれば、Avastar 88W8864を使用することで、広帯域の無線データアプリケーションにおいて高いスループットが実現できるとともに、マルチストリームのHD映像配信を高い信頼性で提供可能だという。また、サービスプロバイダ向けのゲートウェイ機器やセットトップボックスなどにおいても、高品質かつ低遅延の映像配信を実現できるとしている。

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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