Apple、2013年Q1の売上高は過去最高も株価は10%下落:ビジネスニュース 企業動向
Appleは、2013年第1四半期(2012年10〜12月)の売上高において、545億米ドルと過去最高を記録した。それにもかかわらず、株価は10%以上下落したという。
Appleは、2013年第1四半期(2012年10〜12月)の売上高について、545億米ドルと過去最高を記録したと発表した。それでも、アナリストらが予想していた数値よりは、わずかに低かったという。
同社の2013年第1四半期における売上高は545億米ドルで、前期比で41%増加、前年同期比で18%増加となった。また、純利益は131億米ドル、希薄化後の1株当たり利益は13.87米ドルとなった。
このように過去最高の売上高を記録したにもかかわらず、Appleの株価は約10%も下落した。2013年1月23日は終値で514.01米ドルだった株価は、その後463.49米ドルまで下落している。
テクノロジー関連の投資サービスの情報サイトであるNext Inning Technology Researchで編集者を務めるPaul McWilliams氏は、Appleの四半期決算報告に失望したという。「Appleは、明確なビジョンを持つ革新的なメーカーだった。同社は、市場の定義を変えるような斬新な製品を投入したり、あるいはまったく新しい市場を生み出したりしてきた。だが今のAppleは、かじを失った巨大な船のようだ。かじだけでなく、針路さえも見失っている」(McWilliams氏)。同氏は、10年以上保持していたAppleの株式を売却することも考えているという。
iPhoneの販売台数も過去最高に
Appleによれば、2013年第1四半期における「iPhone」の販売台数は4780万台と、過去最高を記録したという。この販売台数は、前期比で78%増、前年同期比で30%増となっている。また、「iPad」の販売台数は2290万台で、前年同期の1540万台よりも増加した。一方、「Mac」の販売台数は410万台で、前年同期の520万台から減少している。この他、「iPod」も、前年同期の1540万台から1270万台に減少した。
Appleは、2013年第2四半期の売上高について、410億〜430億米ドルになると予測している。CFO(最高財務責任者)を務めるPeter Oppenheimer氏は、「この数値は前年同期比で5〜10%の増加になる」と述べている。
Appleが2012年9月に発表した「iPhone 5」は、同年12月末までに100カ国以上で販売されている。Oppenheimer氏は、「iPadシリーズの平均販売価格は、『iPad mini』の発売や、『iPad 2』の価格引き下げなどにより、約100米ドル下がっている」と述べた。同氏はまた、PC市場が2012年第1四半期は4%成長したが、2013年第1四半期は約3%減少すると予測されていることにも言及し、「このような状況を考えれば、前年同期比で5〜10%増加というのは、順調だと言える。われわれは、当社の今後の事業と製品ラインアップに強い自信を持っている」と語った。
【翻訳、編集:EE Times Japan】
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