Googleが、ギガビット級の新たな光ファイバサービスの提供へ:有線通信技術(2/2 ページ)
Googleは、米カンザスシティで提供しているギガビット級の家庭向け光ファイバサービス「Google Fiber」に、小規模事業向けの新サービスを追加する予定であることを明らかにした。これにより、Googleは通信事業への本格的な参入に向けてさらに一歩前進することになる。
州政府や地方政府などは、それぞれ独自の法律や慣例を作り出しており、これが、光ファイバの敷設に多大なコストがかかる要因になっている。例えば、大手携帯電話事業者である米国のVerizon Wirelessは、かつてブロードバンドサービス「FiOS」の提供を検討していた。しかし、「有線向けのインフラよりも無線向けのインフラに出資したほうが収益性が高い」との結論に至り、サービス提供を見送った。
Googleは、Google Fiberの初期ユーザーに対しては、メガビット級のサービスと同等の料金でサービスを提供するという。消費者の迅速な決断を促すために有利な条件を提示していくようだ。Medin氏は、「近隣一帯を一度に有線化した方が、後で個別に出張サービスを行って有線化するよりも、はるかに低コストで済む」と述べている。
Googleが提供するギガビット級サービスの利用者は、テラバイト級のオンラインストレージを利用することができる。Medin氏は、「クラウドベースのストレージで、SATAのローカルストレージと同等レベルのアクセス速度が得られるようになる。これは非常に有益なことだ」と語る。Googleとしては、データ使用量の制限を設けないことで、同社が提供する、より多くのサービスを利用してもらいたいのだろう。
なお、テレビサービスを契約したユーザーには、“リモコン”としてGoogleのタブレット端末「Nexus 7」を提供するという(関連記事:小型iPad投入あおるGoogleの「Nexus 7」、部品ベンダーに見慣れぬ顔ぶれ)。
約16年前、米国では、通信速度が4〜5Mbpsのインターネットサービスに月40米ドルを払っていた。Medin氏は、「その当時から、ブロードバンド事情はあまり変わっていない」と述べている。「米国のブロードバンドは、必要なレベルまで進化していない。Mビット/秒当たりのコストは、ギリシアとメキシコよりもやや安いくらいだ」(同氏)。
Medin氏は続けて「無線通信の世界では急速な変化が起こっている。だが有線通信の世界では、本当の意味での進化はまだない。だからこそ、当社が技術面でのリーダーシップを取らなければならない」と語った。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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