「20nmまではTSMC、14nm以降はIntel」、Alteraが製造戦略を説明:ビジネスニュース 企業動向
Alteraは次世代FPGAについてIntelの14nmトライゲート技術の採用を決め、Intelに生産委託する契約を締結した。Alteraではこの技術を最上位のFPGA製品に適用し、「これまでの技術では成しえなかった性能や機能を実現していく」考えだ。
大手FPGAベンダーのAlteraは2013年3月1日、東京都内で会見を開き、新たに決定したFPGAの製造戦略を説明した。電話で会見に参加した、同社のバイスプレジデントでプロダクト&コーポレートマーケティング、テクニカルサービス担当のVince Hu氏は、次世代FPGAについてIntelの14nmプロセストライゲート技術の採用を決め、Intelと生産委託契約を結んだことなどに関して、その概要や狙いを語った(関連記事)。
Hu氏は、Intelを選択した理由について、「Intelのトライゲート技術は、同等のプロセスノードのプレナーFET品に比べて、性能で25%、消費電力で35%優れている」と評価するとともに、「Intelはトライゲート技術を用いた20nm品ですでに1億個の出荷実績があり、量産という点でも先行している」と語った。
Intelのトライゲート技術は、一般的に「FinFET」と呼ばれている技術である。一般的に、従来のプレナーFETに比べてリーク電流が少なく、演算性能や消費電力に優れていると言われている。Hu氏によれば、「今回契約したIntelの14nmトライゲート技術は最上位のFPGA製品に適用し、これまで成し得なかった性能や機能を実現していく。詳細な製品情報は明らかにできないが、アプリケーションとしては有線/無線通信分野、ストレージ分野および軍用レーダー分野などを視野に入れている」という。
これに対して、20nmあるいはそれまでのプロセス技術と製造に関しては、これまで20年にわたって同社製品の製造を委託してきたTSMCとの協力体制を引き続き維持し、開発を進めていくことを強調した。Alteraとしては、「演算性能や消費電力、価格などのバランスを保ちながら、用途ごとに最適化されたFPGA製品を供給していく」(Hu氏)計画である。
これらの他、14nmトライゲート技術に関するIntelとの提携に関連してHu氏は、「大手FPGAベンダーでIntelの14nmトライゲート技術を利用できるのはAlteraのみ」であることを挙げるとともに、「一部のトランジスタはFPGA向けにカスタマイズするかもしれないが、基本的にはIntelの標準プロセスを利用して製造する」、「2013年中に14nm製品の発表を予定しているが、現時点で仕様の詳細や出荷時期は公表できない」などと述べている。
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