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ソニーは再び輝けるか、復活支える名機と一流技術(前編)フォトギャラリー(3/5 ページ)

最近は赤字や経営難ばかりが取り沙汰されているソニー。オーディオや映像、ゲームなどの分野で数々の大ヒット製品を生み出してきた輝かしい歴史は、忘れ去られているようにすら感じる。だが同社の製品ポートフォリオを詳しく調べてみれば、市場をけん引してきた名機や一流技術の存在に、あらためて気づくはずだ。

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 半導体市場において、ソニーを「今後、急成長する企業」だとする見方は少数派だ。

 2012年の世界半導体売上高は、2011年から70億米ドル減少し、低迷状態に陥った。IHS iSuppliのアナリストであるDale Ford氏によると、こうした状況の中でもQualcommは、2桁台の成長率を実現するという突出した勢いを見せ、2013年の世界半導体売上高ランキングでは第3位の座を獲得する見込みだという。同社の携帯電話機向けチップは、Appleの「iPhone 5」をはじめ、大きく成長しているスマートフォン市場で広く普及している。このため、今後Qualcommの業績が好調に伸びていくことは容易に予測できる。

 しかしIHS iSuppliは、「こうした状況の中、ソニーが、今後最も大きな成長が見込まれるトップ20社の第1位にランクインしたのは驚くべきことだ」と述べている。

 ソニーの半導体部門の成長をけん引するのは、イメージセンサー部門に他ならない。Ford氏によれば、ソニーのイメージセンサーの売上高は現在、同社の半導体部門の売上高全体の約60%を占めているという。

 現在、イメージセンサーの世界市場は、比較的順調な成長を遂げている。2012年の同市場は、成長率19%で拡大する見込みだ。Ford氏によると、中でもCMOSイメージセンサーの世界売上高は、前年比で31.8%増加する見込みだ。同氏は、「さらに驚くべきことに、ソニーのCMOSイメージセンサーの売上高は、前年比で2倍以上増加すると予測されている」と付け加えた。

 また、Samsung ElectronicsとAppleの両社が、フラッグシップ製品であるスマートフォンにソニーのイメージセンサーを採用していることからも、ソニーのイメージセンサー部門における成長は間違いないとみていいだろう。加えて、同社がさらに革新的なイメージセンサーの開発に取り組んできた点にも注目したい。

 ソニーは2012年に、世界初をうたう積層型CMOSイメージセンサー「Exmor RS」を発表した。従来は、画素の領域と信号処理回路の領域を横並びに配置していたが、Exmor RSではそれらを積層している。これにより、チップサイズの小型化を実現した。また、撮影時に同一画面内で2種類の露出条件を設定し、それらに適切な信号処理を加えることで、ダイナミックレンジの広い画像を撮影できる「HDR(ハイダイナミックレンジ)ムービー」機能も搭載している。このため、逆光で撮影した場合でも、色鮮やかな画像を生成することができるという。

 ソニーは、積層型CMOSイメージセンサーの開発拠点を置く長崎テクノロジーセンターに、新たに9億9400万米ドルを投資する。また、2013年9月末までには、生産能力をウエハー換算で月産6万枚に増強する予定だ。


積層型CMOSセンサーのイメージ図 出典:ソニー

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