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11インチ以上のタッチパネルコストを40%削減、最大40タッチや圧力検知も可能ディスプレイ技術 タッチパネル(2/2 ページ)

ドイツのアナログICベンダー・Dialog Semiconductorは、11インチ以上のタッチパネルの製造コストを、静電容量方式と比べて約40%低減できるタッチパネルドライバIC「SmartWave」を発表した。早ければ、2014年春モデルのノートPCなどに採用される見込みだ。

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タッチ圧力も検出可能

 SmartWaveの場合、表面のカバーガラスに何らかの物体がタッチすれば、カバーガラス内部で全反射している赤外線がタッチ箇所で散乱されるという現象を基に、タッチ位置の検出を行っている。このため、静電容量方式とは異なり、手袋をはめた指や通常のスタイラスのタッチ検出が可能だ。

 指先でタッチする場合には、タッチ圧力を検出できることもSmartWaveの大きな特徴となっている。指先でのタッチによる赤外線の散乱の度合いは、指先を押し込む圧力によって変化する指先とカバーガラスの間の水分量によって異なる。SmartWaveは、この水分量によって変化する赤外線の散乱からタッチ圧力を検出することが可能で、10ビットの分解能(1024段階)で表現できる。Tyndall氏は、「われわれはこの機能によって、圧力に命を吹き込めると考えている。ゲーム操作などに大きな変革をもたらす可能性がある」と述べている。

タッチ圧力の検出も可能
タッチ圧力の検出も可能(クリックで拡大) 出典:Dialog Semiconductor

4つのタッチ検出方式と比較

 Tyndall氏は、Windows 8を搭載するマルチタッチ対応超薄型ノートPCに求められるタッチパネルの仕様として、1)Windows 8との互換性と5つ以上のマルチタッチへの対応、2)マルチタッチ対応超薄型ノートPCを魅力的な商品にするベゼルレスの実現、3)11インチ以上のパネルサイズにおける製造コストの低減、という3つの項目を挙げた。

 「これらの仕様を満たす最適解がSmartWaveである」(同氏)という結論は当然のことながら、比較のために挙げた他の4つの方式の長所と短所が興味深かったので、以下に説明スライドで紹介しよう。

左の図は抵抗膜方式である。低コストが長所で、マルチタッチが難しいことやディスプレイパネルの光学特性を損なう点が短所となる。右の図は表面弾性波(SAW)方式。ディスプレイパネルの光学特性は損なわないものの、表面にゴミが着いたときの誤認識や、2つまでのマルチタッチにしか対応できない点が課題となっている。(クリックで拡大) 出典:Dialog Semiconductor
左の図は静電容量方式である。スマートフォンのタッチパネルとしてデファクトスタンダードになっており、ベゼルレスが可能で、剛性も高い。ただし11インチ以上では、製造コストが跳ね上がってしまう。透明電極層によるディスプレイパネルの光学特性の低下も短所となる。右の図はイメージセンサー方式。ノートPCのタッチパネルにも採用されている。5つ以上のマルチタッチが可能だが、端部にカメラモジュール設置するためにベゼルレスは実現できない。タッチパネルの厚みも増えてしまう。(クリックで拡大) 出典:Dialog Semiconductor

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