インドの半導体市場は伸び盛り:ビジネスニュース 業界動向
2012年、世界の半導体売上高が減少する中、インドの半導体消費量は前年比7.4%増となる80億米ドルとなった。インドの半導体市場は、今後も堅調に成長する見込みだ。
米国の市場調査会社であるGartnerによると、2012年におけるインドの半導体消費量は、前年比7.4%増となる80億米ドルだったという。さらに2013年には、前年比20%増となる96億米ドルに増大する見込みだ。2012年の世界半導体売上高は2999億米ドルで、前年比では2.6%減少したことから、インドは世界的な縮小傾向とは逆行して消費量を伸ばしたことになる。
Gartnerによると、2012年におけるインドの半導体消費量全体の約70%が、携帯電話機とPC、液晶テレビに使用されているという。これら3つのうちで最も大きな成長を遂げたのが、液晶テレビ向け半導体だ。また、携帯電話機向け半導体チップの消費量は5.7%増加したが、その一方で、PC向け半導体チップの市場価格は0.3%下がっている。
Gartnerでリサーチディレクタを務めるGanesh Ramamoorthy氏は、「2012年の世界半導体消費量は、在庫レベルが高かったことによる影響を受けた。インドにもその影響は及んでいるが、インドの場合、国内の景気が比較的良い状態だったことや、消費者支出が増えたことなどによって、半導体消費量の増加が後押しされる形となった」と述べている。
Ramamoorthy氏は、「世界半導体市場は2013年第2四半期に入ってから、回復の兆しを見せている。これに伴い、インドの半導体消費量もさらに増加していくだろう。2013年にインドで消費される半導体のうち、携帯電話機とPC、液晶テレビ向けのものが全体の74%を占める見込みだ」と述べている。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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