2017年、人類の半数がネットに接続し“ゼタバイト時代”が到来:ビジネスニュース 市場予測(2/2 ページ)
シスコの調査によると、2012〜2017年に世界のIP(インターネットプロトコル)トラフィック量は2.7倍に増加する。特に、2017年は大きな節目を迎えるという。2017年にインターネットユーザー数は全人口の48%とほぼ半数に達する見通しとなったからだ。また、世界におけるIPトラフィック量は、2017年に固定とモバイルを合算して1.4ゼタバイトに達する。
PC以外の機器からのトラフィック量が増加
インターネットに接続される機器(固定/モバイル、M2Mなど)は、2012年の約120億台に対して、2017年には190億台を超える予想だ。このことは、インターネットユーザー1人当たり5台の機器をインターネットに接続して使うことになる。特筆されるのは、PC以外の機器からのトラフィック量が増加することである。2012年には26%と全体の1/4程度だったのが、2017年までには49%とほぼ半数を占めることになる。タブレット端末やスマートフォン、M2Mモジュールなどからのトラフィックが急増する見通しだ。特にモノがインターネットにつながる「Internet of Things」の影響力が高まりそうだ。M2Mの接続台数は2012年の20億台に対して、2017年には60億台と3倍の増加が見込まれている。この間のM2MによるIPトラフィック量は20倍になると推定されている。
日本ではネットワークに接続される機器は2017年に6億2600万台と予想されている。この中で、43%をM2M機器/モジュールが占める。Pepper氏は「M2M機器/モジュールとして日本では、ヘルスケアなどに用いるリストバンドや自動車のスマートタイヤ、スマートグリッド対応の家電機器などに数多く搭載されるだろう」と語る。
IPv6対応機器の需要は全世界で80億台
モノのインターネットを加速するのはM2Mと、IPv6への対応だといわれている。IPv6は2011〜2012年ごろから本格的に機器への実装が始まった。2017年にはIPv6対応機器の需要が全世界で80億台といわれ、ネットワーク接続機器の42%を占めることになる。日本でも2017年にはIPv6対応機器は2億5400万台の需要が見込まれており、その構成比率は41%となりそうだ。
通信速度の高速化も顕著である。世界的な固定ブロードバンドの平均通信速度は、2012年の11.3Mビット/秒に対して、2017年には39Mビット/秒と、3.5倍に高速化する見通しだ。中でも、日本や韓国などアジア太平洋地域は、家庭向け光データ回線(FTTH)の普及が進むこともあって、高速化の伸び率は3.8倍と高い。日本ではブロードバンドの平均通信速度が2012年の26.4Mビット/秒から、2017年には91Mビット/秒となる。同様にモバイル接続は2017年に10.7Mビット/秒と2012年の5倍となる。さらに、モバイルからWi−Fiへの平均接続速度が12.7Mビット/秒から36Mビット/秒へと高速化するという。
リッチメディアコンテンツについては、ビデオユーザー数の拡大と3D/HDビデオの増加を挙げた。インターネットビデオユーザ数は、全世界で2012年の10億人から、2017年にはほぼ倍増の20億人近くに増加するとみられている。また、インターネットを経由してテレビを視聴するケースが増えるため、ビデオトラフィックは2012年に月間1.3エクサバイトだったものが、2017年には同6.5エクサバイトと5倍に膨らむ見通しである。
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