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2013年6月の出来事で読み解くスマホ市場動向ビジネスニュース オピニオン(2/2 ページ)

Symbian端末の出荷終了の報道や、「GALAXY S4」の販売台数予測の下方修正など、2013年6月は、携帯電話市場を読み解く鍵になる出来事が続いている。

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 Samsungの株価が大幅に下落したことを受け、ハイエンドスマートフォン市場は減速傾向にあるのではないか、という声も聞かれた。2013年6月16日のReuters(ロイター通信)による報道では、金融アナリストの間で、「スマートフォン売上高に関する以前の予測は、楽観的過ぎた」とする認識が広がっているという。

 その一方で、中国のファブレス半導体企業であるSpreadtrum Communicationsは2013年6月12日に、2013年第2四半期における同社の売上高予測を上方修正した。低価格帯のスマートフォン市場における需要が高まっていることから、取引の拡大が見込まれ、同社のシェアは23%増加すると予測している。

 これらのデータを全てつなぎ合わせると、スマートフォン市場の動向がよく見えてくる。

  1. ハイエンドのスマートフォン市場は飽和しつつある
  2. スマートフォン市場において、“AppleとSamsungの存在は絶対だ”という時代は終わった
  3. ローエンドのスマートフォンは、フィーチャーフォンの置き換えとして、市場への浸透が進んでいる
  4. ローエンドのスマートフォン市場では、ハイエンドスマートフォンやフィーチャーフォンの市場では無名のメーカーが台頭している
  5. ハイエンドスマートフォンは、差異化が難しくなっている。ローエンドスマートフォンはさらに千差万別になる

 Samsungは株価の下落など何でもないかのように、2013年6月17日、GALAXY S4のLTE-Advanced対応モデルを韓国で発売すると発表した。

 もちろん、通信速度が速くなるのはユーザーにとっては歓迎すべきことである。ただし、高速の新しい通信規格をサポートできるインフラは、世界ではまだ十分に整っていないことを忘れてはならない。LTE-Advanced対応モデルの投入でGALAXY S4の販売台数を引き上げるという考えは、いささか早計にも思える。


Samsung Electronicsの最新スマートフォン「GALAXY S4」(クリックで拡大)

 これまでにない全く新しいスマートフォンが登場しない限り、スマートフォン市場の勝者は、低価格の製品を提供できたメーカーになってしまうだろう。

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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