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スマホと人工すい臓をBluetoothで接続、糖尿病の低価格治療に光明:無線通信技術 Bluetooth(2/2 ページ)
英国の大学が、人工すい臓とスマートフォン/タブレット端末をBluetoothで接続するシステムの開発に取り組んでいる。血糖値モニターやインスリンポンプと併用し、糖尿病の治療を行うためのもので、低価格な治療システムを実現できると期待されている。
こうした技術を次のステージに進める鍵となるのが、スマートフォンとタブレット端末だ。しかし、現在発売されている製品では、十分な役割を期待できない。医療機器メーカーは、ゆくゆくは、実績のあるアルゴリズムのライセンス供与を受けたり、技術を買収したりして、自社のポンプやモニターに同技術を組み込みたい考えだ。
Pritchard氏は、「スマートフォンメーカーは、スマートフォンを“医療機器”にして、FDA(アメリカ食品医薬品局)と関わることなど望まないだろう」と述べる。
人工すい臓システムを実現するのに、どのくらいの処理性能やメモリ容量が必要になるかは、今のところ不明だ。
米国では、1型糖尿病の患者が300万人に上る。さらに、年間3万人が糖尿病と診断されているという。糖尿病患者のうち20%がインスリンポンプを身に付けているが、連続式グルコースモニターを身に付けているのはわずか2%だ。
慢性病のモニタリングの世界市場は、2016年には3億7000万米ドルに達すると予測されている。
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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