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スマートメガネはもう古い!? “スマートコンタクト”の開発進むディスプレイ技術

「Google Glass」もまだ本格的に実用化されていないが、既にその先を見据えている人物がいる。IMECの研究者は、ディスプレイを内蔵したコンタクトレンズの研究を進めている。まずは、ディスプレイをモノクロに設定し、暗くすればサングラスのように機能するコンタクトレンズの開発に着手しているという。

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 「Google Glass」の次には、どんな製品が登場するのだろうか。ベルギーIMECの研究者で、Gent Universityの博士課程の学生でもあるJelle De Smet氏は、「ディスプレイ内蔵型コンタクトレンズだ」と言う。

 同氏は4年前、工学部でディスプレイ技術を専攻して学んでいた当時、このアイデアを考えついたという。もちろん同氏自身も、コンタクトレンズを使っている。

 De Smet氏は、この“ディスプレイ内蔵型コンタクトレンズ”の実現に向けて、研究プロジェクトの指揮を執っている。

 現在、虹彩に欠損や変形がある患者は、光を過剰に取り込まないよう、インプラント手術を受けることができる。ただし、この人工虹彩は、光の量によって弛緩(しかん)したり収縮したりすることがない。De Smet氏は、ディスプレイ内蔵型コンタクトレンズを実用化させる第1段階として、上記のような“パッシブ”な人工虹彩ではなく、“アクティブ”な人工虹彩を今後2年以内に実現したいとしている。De Smet氏は、「欠損があるといえども、生体部位の機能を補うのに“パッシブ”なインプラントだけでは不十分だ」と述べる。

「人工虹彩は、より自動的に(アクティブに)制御できる機能が必要だ」とDe Smet氏は主張する(左)。右は、ディスプレイ内蔵型コンタクトレンズの構想。センサーやコントローラIC、繰り返し充電できるマイクロバッテリ、アンテナなどが組み込まれている(クリックで拡大)

 De Smet氏は、光量の変化に応じて虹彩を弛緩/縮小させるために、わずか9画素のみを使用して複数のグレースケールを設定したという。この技術をコンタクトレンズに応用すれば、サングラスのような機能を持つコンタクトレンズを作れる可能性もあるという。

 これらの取り組みがうまくいった場合に、同氏が第2段階として考えているのが、読書をする時や運転する時など、使用状況に応じて遠視用/近視用を自動的に切り替えられる、多焦点コンタクトレンズの開発だという。

 IMECは2013年9月に、ある大手コンタクトレンズメーカーに対し、IMECが新たに手掛ける研究プログラムを紹介する手紙を送ったという。しかし1カ月経っても、まだ返事が来ないようだ。

 「大手コンタクトレンズメーカーは、光学技術や生体適合性材料、その安全性などに関する造詣が深い。しかし、エレクトロニクス分野の設計に関する知識はない」(De Smet氏)。同氏は、「大手コンタクトレンズメーカーには、異なる分野の技術を共有することの重要性を訴えていきたい。共同で取り組めば、これまでにない斬新な製品を開発できると確信しているが、既存のコンタクトレンズメーカーは非常に保守的だ」と続けた。

 同氏のコンセプトに基づく潜在市場は、極めて大きいと考えられる。ただ、課題は山積みのようだ。新しい材料や、伸縮自在なインターコネクト、エネルギーハーベスティング技術、マイクロバッテリなどが必要になると考えられている。


年齢別にみたコンタクトレンズのユーザー数。年齢層が高くなるほど、眼鏡の使用者が多くなる

IMECの会合で発表するDe Smet氏

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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