スパンションCEO、マイコン/アナログ事業への積極投資を明言:ビジネスニュース 企業動向
スパンションのCEO(最高経営責任者)であるジョン・キスパート氏は、電話インタビューに応じ、富士通から買収したマイコン/アナログ半導体事業に対し、「積極的に投資を行い、新しい技術をいち早く顧客に届ける」との方針を示した。
スパンションのCEO(最高経営責任者)であるジョン・キスパート氏は2013年11月7日、EE Times Japanなど日本メディアとの電話インタビューに応じ、富士通から買収したマイコン/アナログ半導体事業に対し、「積極的に投資を行い、新しい技術をいち早く顧客に届ける」との方針を示した。
スパンションは2013年8月に、事業領域を自動車、産業機器など幅広い組み込みシステム市場全体へと広げることなどを狙って、富士通/富士通セミコンダクターのマイコン/アナログ半導体事業の設計開発部門と日本以外での販売機能を買収した。
買収からおよそ3カ月が経過した現在の事業統合状況についてキスパート氏は、「通常の事業統合であれば、製造面や営業面で多くの統合作業が必要になる。だが、今回の買収では、統合が必要なのはITシステム程度で、大きな統合作業は発生しない」とし、買収事業が従来のフラッシュメモリ事業と重複しない上に、製造や日本での販売を従来通り富士通グループに委託していることで、よりスムーズに統合が進んでいる点を強調した。
今後のマイコン/アナログ事業の方針については、「顧客からみれば、富士通からスパンションに変わったことによる変化は、ないだろう。われわれは、これまでと変わらず、適切なタイミングで適切な製品を提供していく。人や仕事のやり方を変えることはない」と、富士通/富士通セミコンダクター時代からの事業方針を継承していく姿勢を明確に打ち出す。その上で「買収したことで変わる点は、より積極的に投資し、新しい技術をいち早く顧客に届ける、ということだろう」とした。
富士通グループとの関係については、「素晴らしい企業であり、よりパートナーシップを深めていく。当然、生産、販売/マーケティングの委託は継続していく。現在は、一切計画していないが、より多くの生産能力が必要になった場合には、(富士通の製造工場に対して)投資を行うこともあり得る」と語った。
キスパート氏は2013年10月31日(米国時間)に発表した2013年第3四半期(7〜9月)業績にも触れ、「フォーカスする組み込み市場でデザインウィン獲得数が増え、IPビジネスの売り上げも拡大している」とし、堅調さをアピールした。今後の市況見通しとしては、「世界的には回復してきている。欧米地域の成長は横ばいだろうが、中国、日本については今後数四半期は回復基調が続くだろう。その他のアジア地域も成長が続く見通しだ。ただ、市況に関しては楽観視せず、慎重に事業を行っていく」とした。
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