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MediaTek、64ビット対応のLTE SoCでシェア拡大を狙うビジネスニュース 企業動向

台湾のMediaTekが、モバイルプロセッサ市場で売上高を順調に伸ばしている。ただし、同社はアジア市場では強くても欧米市場のシェアは小さい。2014年は、64ビット対応のARMコアを採用したLTE向けSoCで、欧米市場にも攻勢をかけるという。

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 MediaTekは、2013年第3四半期のモバイル機器向けSoC市場で第3位に浮上した。2014年には、64ビット対応のARMコアを搭載したLTE対応SoCを発売することを明らかにしている。それによって、同社の主戦場であるアジア以外の市場も狙う考えだ。

 Qualcommは、同四半期のタブレット端末向けSoC市場で、Appleに次ぐ第2位に躍進した。ある市場調査会社は、これを「劇的な好転」と呼ぶ。

 米国の市場調査会社であるStrategy Analyticsの報告書によると、2013年のスマートフォン向けアプリケーションプロセッサの世界市場は、前年比31%増となる49億米ドルだった。

 2013年第3四半期のスマートフォン向けSoC市場の上位5社は、Qualcomm、Apple、MediaTek、Samsung Electronics、Spreadtrum Communicationsで、これら5社の売上高が同市場の80%を占めている。トップはQualcommで、MediaTekは第3位についた。

 MediaTekで、バイスプレジデントと米国企業マーケディング部門のゼネラルマネジャーを兼務するMohit Bhushan氏は、EE Timesの取材に対して、2014年に同社のSoCをLTE対応にする計画だと語った。また、タブレット端末や携帯電話機向けに、「big.LITTLE」アーキテクチャを採用したARMの64ビットコアを搭載するSoCも投入する予定だという。こうした製品でハイエンドデバイスを狙うとともに、欧米市場のシェア拡大を目指すという。

MediaTek、米国でのシェアは「まだ非常に小さい」

 MediaTekのインターナショナルセールス/マーケティング部門でゼネラルマネジャーを務めるFinbarr Moynihan氏は、記者会見で、「当社は中国や東南アジアで強固な基盤を持ち、欧州地域でのシェアも拡大傾向にある。しかし、米国でのシェアはまだ非常に小さい。当社はこれを、より多くの製品を投入し、顧客企業に使ってもらうチャンスであると捉えている。LTEは、そのための重要な要素だ」と語った。

 Moynihan氏は、「2013年末までにスマートフォン向けSoCを2億個以上出荷する予定だ。2014年はアジア市場中心に、オクタコアのプロセッサ『MT6592』の販売を促進していく計画だ」と述べている。

 Strategy Analyticsは、「MediaTekがミッドレンジのスマートフォン市場に参入すれば、Qualcommの携帯機器向けプロセッサ『Snapdragon 800』と競うことになる」と述べている。Snapdragon 800は2013年、SamsungやLG Electronics、ソニー、中国のスマートフォンメーカーであるXiaomi(小米科技)のスマートフォンに数多く搭載された(関連記事:スマホの2つの新潮流、「クアッドコア」と「LTE」をめぐる競争が激化)。Strategy Analyticsは、Qualcommの幅広い製品ポートフォリオと統合機能を挙げ、同社を“モバイルプロセッサ市場の覇者”と評している。

 一方で、Strategy Analyticsのバイスプレジデントを務めるStephen Entwistle氏は、「QualcommのLTEベースバンド技術は確かなものであり、LTE対応プロセッサのシェアも高い。だが、2014年は、特にローエンド/ミッドレンジスマートフォン市場でQualcommのシェアを奪うメーカーが出てくるだろう」と予測している。

【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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