2014年の半導体市場は好調な滑り出し、売上高は260億ドル超:ビジネスニュース 業界動向
SIAの発表によると、2014年1月における世界半導体売上高は262億8000万米ドルに達した。1月の売上高としては過去最高だという。2013年1月に比べて8.8%増加していて、この増加率は過去3年間で最も高いという。
半導体工業会(SIA:Semiconductor Industry Association)が発表した最新の統計によると、2014年1月の世界半導体売上高が260億米ドルを超え、1月の売上高としては過去最高となった。2014年の世界半導体業界は、堅調なスタートを切ったようだ。
SIAは2014年3月3日のリポートで、同年1月の世界半導体売上高が前年同期比8.8%増となる262億8000万米ドルに達したと報告した。1月の売上高としては最高値を達成した他、前年同期比の増加率は過去3年間で最も高かった。
SIAのプレジデント兼CEOであるBrian Toohey氏は、報道発表資料の中で、「2014年1月の半導体売上高は、ほぼ全ての製品カテゴリにおいて前年同月に比べて増加している。ほとんどの地域で同じ傾向がみられている。2014年2月以降も、継続的に成長を遂げると予測される」と述べている。
地域別にみると、南北アメリカでは前年同月比で17.3%増加し、売上高の成長をけん引した。欧州およびアジア太平洋地域でも増加したが、日本は4.7%減少している。
2014年1月の世界半導体売上高は、2013年12月からは約1.4%減少した。ただしSIAは、「半導体市場で通常みられる季節的な変動によるもの」と指摘している。
IoTが成長に貢献か
リポートでは、売上高が増加した要因については特に明らかにされていない。だが、SIAのアナリストらが2014年2月にEE Timesに語ったところによると、モノのインターネット(IoT)関連の機器が、半導体の売り上げを促進しているという。
IoTへの関心が高まっていることで、2014年が半導体業界にとって堅調な1年になるだろうと予想しているのは、SIAだけではない。米国の市場調査会社であるIHSは、インターネットに接続される機器の数が、今後12カ月で60億台に達すると予想している。
ドイツ銀行のアナリストは、2014年が好調なスタートを切ったことは認めつつ、半導体業界全体の成長については慎重な姿勢を示した。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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