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1年でマイク用MEMSトランスデューサ1億出荷達成――新日本無線:ビジネスニュース 企業動向(2/2 ページ)
新日本無線のマイク用MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)トランスデューサが、累計出荷数で1億個を超えた。同社は2013年3月より同製品の本格量産を始めており、わずか1年で大台に達した。2014年度には、さらに小型化を図り、感度を高めた第2世代のMEMSトランスデューサや、デジタル出力の増幅アンプなども商品化していく予定である。
生産能力は、量産開始時の4倍に
MEMSトランスデューサの生産は、同社川越製作所とエヌ・ジェイ・アール福岡で行っている。2013年7月には生産能力を量産開始時の月産500万個から、1000万個と2倍に拡大した。さらに2013年10月にはUMCと生産委託契約を結び、UMCの8インチウェハーを使った製造ラインを確保、さらに月産1000万個規模の生産能力を上乗せした。これにより、新日本無線におけるMEMSトランスデューサの生産能力は月産2000万個体制となった。
同社の取締役執行役員で半導体販売事業部長を務める村田隆明氏は、「当社で第2世代と呼ぶMEMSマイク向け製品も開発中だ。現行のMEMSトランスデューサは1.3mm角だが、開発中の製品は1.1mm角と小さく、小型化を実現しながら感度も上げる。振動する面積が小さくなっても、振動しやすくすることで容量の変化量が大きくなるように工夫した。組み合わせて使う増幅用アンプもローノイズ化の要求に対応できる設計とした」と話す。
さらに、マイクロコントローラと直接接続できるよう、内部にA-Dコンバータを取り込んだデジタル出力の増幅アンプ製品も開発中である。これらの新製品は2014年4月以降の市場投入を予定している。
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