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海外出張報告の極意――最後まで「英語に愛されないエンジニア」らしくあれ「英語に愛されないエンジニア」のための新行動論(最終回)(3/4 ページ)

海外出張は、会社への業務報告で幕を閉じます。しかし、「英語に愛されない」エンジニアが、一部の隙もない完璧な報告をできるとは思えません。実は、それでよいのです。英語に愛されないエンジニアは、“英語に愛されない”という、その特性を最後まで生かして、報告会を乗り切るべきなのです。最終回となる今回の実践編(報告)では、その方法をお伝えします。

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ヘイトスピーチに学ぶ、出張報告の極意

 前述した通り、エンジニアは毎日、回路や装置やプログラムを取り扱っているため、矛盾したロジックというものに慣れていません。ホンの一部でも、矛盾や論理破綻を指摘されると、いきなりパニックに陥ってしまうというモロさもあります。

 しかし、特に海外業務の業務報告において、「完全な情報」に基づく「無矛盾な報告」というのは、不可能です。エンジニアたちが、そのようなマインドを維持している限り、いつまでたっても業務報告は完了しません。

 そこで今回、この課題を解決する手段の一つとして、「カルト宗教の教祖のマインド」や「ヘイトスピーチ」に学ぶ方法を提案したいと思います。

 彼らは、「破綻したロジックを公言しても恥ずかしいと感じない(思わない/思えない)」「人の意見を聞かない(理解しない/理解できない)」という、まれな能力があります。

 これからのエンジニアは、このような彼らの劣悪な資質を、優れた特性に転換した上で、自らに取り込んでいく必要があると考えます。

 「根拠なく自分を信じること」、「論理破綻した信念を持ち歩けること」、そして「自分の味方は自分自身だけと思いこめること」。

 「英語に愛されないエンジニア」には、特にこれらのマインドが必要とされる時代になってきているのだと思います。従来のドメスティックな世界においては、意思決定は一部(会社の幹部など)の人間に委ねていれば足りましたが、「グローバル化」という訳の分からない世界においては、意思決定の場が、末端まで降りて来る場合もあるのです。


画像はイメージです

 そして、今後、この「グローバル化」なるものの業務形態は、最終的には「たった一人の軍隊」になるだろうと考えています(関連記事:海外出張に行くあなたは、「たった一人の軍隊」である)。つまり「世界の果てで闘う私の味方は、私だけ」という時代になる。そんな世界で「客観性」だの「オープンマインド」などと言っている余裕はありません。

 ロジックで武装された世界は、私たちエンジニアにとっては、ヌクヌクとコミットできる心地よい世界でした。しかし、もはやロジックだけで、このえたいの知れない「グローバル化」を生き残るのは難しいのです。もちろん、潤沢な人材と金と時間があれば可能なのかもしれませんが、そのような環境は過去に存在したことがなく、そして将来も存在しません。

 だからこそ、「人の意見を聞かない」という「クローズドマインド」が重要になってくるのです。

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