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MWC 2014で展示の超小型基地局やネットワーク仮想化技術を国内で披露無線通信技術

大手基地局メーカーのEricssonは、超小型基地局の「Radio Dotシステム」や、ネットワーク仮想化に向けた「vEPC(Virtual Evolved Packet Core)」などを「Mobile World Congress(MWC)2014」でデモ展示した。フィリップスやシエナなどパートナー企業との共同開発した製品や技術も来場者の注目を集めた。

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 Ericssonは、2014年2月にスペイン・バルセロナで開催された「Mobile World Congress(MWC)2014」に出展した。エリクソン・ジャパンのCTO(最高技術責任者)を務める藤岡雅宣氏は2014年3月18日に開催した記者説明会で、MWC2014におけるEricssonブースでの注目製品などを紹介した。特に、多くの通信事業者がトライアル開始を表明した超小型基地局の「Radio Dotシステム」や、ネットワーク仮想化に向けた「vEPC(Virtual Evolved Packet Core)」などが来場者の注目を集めたという。フィリップスやシエナなどパートナー企業と共同開発した製品や技術も数多く展示された。

街路灯は、無線基地局の100倍


エリクソン・ジャパンのCTOを務める藤岡雅宣氏

 藤岡氏はまず、パートナーと共同開発した成果とそのデモ展示を紹介した。例えば、携帯基地局とLED照明の機能を統合した街路灯は、フィリップスと共同開発した技術である。「リニューアルが必要な街路灯は世界で約5億個あり、この数は無線基地局の100倍となる。街路灯をうまく活用して無線基地局を敷設することができれば、都市の景観を壊さずに街の安全性を高めつつ、モバイルネットワークのカバレッジを改善できる」(藤岡氏)ことになる。また、シエナと共同開発した光IP伝送ネットワークへのSDN応用、Facebookと共同で取り組んでいる開発途上国のインターネット接続普及に向けた活動成果の紹介なども行った。

 Radio Dotシステムは、Vodafone、Telstra、ソフトバンクモバイル、SingTel、Swisscom、MTNなど多くの事業者が、2014年後半にも屋内施設でのトライアルを開始、あるいはその検討を始めていることが公表され、来場者の関心を集めたという。Radio Dotシステムを導入することで、ビルや公共施設の屋内においてその通信エリアのカバー率や通信容量の拡大を容易に行うことが可能となる。

自動車への宅配サービスも可能に

 「Connected Vehicle Cloud(CVC)−Volvo Sensus Connect」も、会場で注目を集めた展示の1つである。このシステムはEricsson Service Delivery Platform(MSDP)をベースに開発されたもので、2013年11月より商用サービスが始まっている。このシステムに対応しているボルボ車は、車内のディスプレイを活用して、スマートフォンと同じアプリケーションを楽しむことが可能だ。エリクソンが提供するクラウドを利用して、自動車メーカーや修理工場、保険会社、コンテンツプロバイダーなどと接続されており、さまざまなサービスを受けることができる。このシステムを活用すると、「注文しておいた荷物を車のトランクに積み込んでもらっておくような、自動車への宅配サービスも可能となる」(藤岡氏)と話す。

 これ以外にも、プロトタイプ端末を用いて、帯域内20MHz+20MHz+20MHzのキャリアアグリゲーション(CA)で最大450Mビット/秒の伝送速度を実現したライブデモ、3.5GHz帯における公共とモバイルで周波数を共用するLSA(Licensed Shared Access)のデモ、VoLTE(Voice over LTE)におけるEVS(Enhanced Voice Service)やHEVC(High Efficiency Video Coding)のデモなどを行った。

ゲリラ豪雨の予測も

 さらに藤岡氏は、無線技術の将来的な方向性を指し示すエリクソン・リサーチの展示についても触れた。5Gに関してエリクソンが提案するコンセプトやEU FP7 METISプロジェクトにおける検討状況の紹介に加え、特定地域におけるゲリラ豪雨の予測を可能とする「Live Micro Weather(マイクロ波リンクを用いた降雨量推測システム)」や、対象物に触れることでモノに関する情報やURLを、人体通信によってスマートフォンなどに取り込むことができる「Connected Paper」などが紹介された。

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