「因縁の10兆円を何としても達成する」――パナソニックが事業戦略を発表:ビジネスニュース 企業動向(2/2 ページ)
パナソニックは2014年度(2015年3月期)以降の事業方針についての説明会を開催した。2014年度は、営業利益率5%以上を掲げる中期計画の達成に向けた構造改革の完遂と2018年度売上高10兆円達成に向けた成長戦略を仕込む1年と位置付け事業を行う方針を示した。
2018年度売上高10兆円
さらに中期計画の先を見据えた施策も行う。パナソニックでは、2018年度に「過去、松下電器時代から何度も跳ね返された因縁がある」という売上高10兆円突破を目標に掲げており、その2018年度売上高10兆円から逆算して2014年度からより本格的な事業展開を行う方針だ。
まず、10兆円達成時の事業別売り上げ構成は、家電、住宅、車載の3事業で2兆円ずつの計6兆円。さらにデバイス事業(車載向け除く)で1.5兆円を見込み、残りの2.5兆円はB to Bソリューション事業で売り上げる計画だ。
成長戦略は、これら5つの事業領域ごとに加えて、日本、欧米、海外戦略地域(アジア/中国/中東アフリカ)の3つ地域別にも最適化させ「5×3=15のマトリクスで考え、成長の見込める部分に投資を行う」とし、日本では住宅、車載、B to Bソリューションの事業領域に投資する方針。海外では、欧米で車載、B to Bソリューションに、海外戦略地域で家電、住宅、B to Bソリューションに注力する。B to Bソリューションは、全地域で投資を増やす方針で特に力が入るが、同じB to Bビジネスであるデバイス事業では、投資を増やす領域は設定されなかった。
津賀氏は、「10兆円に挑んで失敗したこれまでは、売れば売るほど利益が落ちる事業を含んでいたし、伸びる事業と落ちる事業が混じっていた。今回は、何をすると赤字になるかをはっきり分かっている状況で、成長事業にリソースを集中している。その点でこれまでとは違う。因縁の10兆円を何としても達成する」とした。
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