2014年2月の半導体売上高は258億ドル超、過去3年で最も高い成長率:ビジネスニュース 業界動向
SIAによると、2014年2月の世界半導体売上高は、前年比11.4%増となる258億7000万米ドルとなった。南北アメリカとアジア太平洋地域が好調で、日本市場の回復傾向も続いているという。
米半導体工業会(SIA:Semiconductor Industry Association)は、2014年2月の世界半導体売上高を発表した。それによると売上高は258億7000万米ドルで、前年同月比で11.4%増加し、ここ3年以上の中で最も高い成長率を記録したという。南北アメリカ地域が2桁台の成長を遂げていることや、DRAM市場が好調だったことなどが追い風になったようだ。
前年同月比では増加したが、前月(2014年1月)比では1.5%の減少となった(関連記事:2014年の半導体市場は好調な滑り出し、売上高は260億ドル超)。ただしSIAによると、この減少は通常の季節的な要因によるものだという。SIAが発表した売上高は、世界半導体市場統計(WSTS:World Semiconductor Trade Statistics)が集計した売上高データを、3カ月移動平均値として表したものである。
Deutsche Bank(ドイツ銀行)サンフランシスコ支店のアナリストは、「2014年2月の半導体売上高は前月比で減少したが、当行が以前に予測していた売上高242億米ドルを上回っている。また、DRAMやMPU、MCU、DSPなどあらゆる主要分野に関しても、2014年2月の売上高が、以前の予測の範囲内か、またはそれを上回る結果となっている。ただし、フラッシュメモリとアナログ半導体は例外として除く」と述べている。
また、ドイツ銀行のアナリストは、SIAの調査結果に関する最新リポートの中で、「半導体市場は2014年に入ってから堅調な成長を見せている。当社は『2014年は前年比8%増で成長する』と予測しているが、その予想を裏付ける結果になっている」と述べる。ドイツ銀行は、半導体市場の成長予測に関して中立的な見方をしているが、2014年の堅調な滑り出しを心強く感じているようだ。
ドイツ銀行は、半導体市場の成長に大きく貢献した分野の1つとして、DRAM市場を挙げる。2014年2月のDRAM売上高は32億7000万米ドルで、同年1月に比べて横ばいだった。例年は約2%増加するので、それに比べると低い成長にとどまっているが、ドイツ銀行の以前の予測である29億米ドルを上回っている。しかし、2013年2月比では47.2%増と飛躍的な伸びを達成した。平均販売価格(ASP:Average Selling Price)は伸び悩んだものの、販売数量が増加したことが大きいという。
好調なスタートを切った2014年の半導体市場
SIAのプレジデント兼CEOであるBrian Toohey氏はプレスリリースの中で、「世界半導体市場は、2013年の記録的な売上高成長に続き、2014年も好調なスタートを切った。今後も引き続き好調が見込まれる。南北アメリカ市場は、継続的に目覚ましい成長を遂げていくだろう。アジア太平洋地域や欧州の半導体売上高も前年比で大幅に増加している他、日本市場の回復傾向も続いている」と述べる。
2014年2月の半導体売上高を地域別に見ると、南北アメリカ地域が前年比18%増、アジア太平洋地域が同12%増、欧州が同9.6%増となっている。日本市場はわずかながら減速して前年比0.2%減となったが、2012年8月以降では最も減少幅が小さかった。例年、季節的な要因から、2月の売上高は1月と比べて減少する傾向にある。このため全ての地域において、2014年2月の売上高は前月比で減少している。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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