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スパンション、ARM Cortex-R5を搭載した車載マイコン「Traveo」を発表第1弾はツインモータ制御対応

スパンションは、新しい車載マイコンファミリとして、CPUコアに「ARM Cortex-R5」(以下、R5コア)を搭載した「Traveo」(トラビオ)を発表した。第1弾製品として、2個のモーターを1つのマイコンで制御できる「MB9D560」を2014年11月から量産する。

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 スパンションは2014年5月20日、新しい車載マイコンファミリとして、CPUコアに「ARM Cortex-R5」(以下、R5コア)を搭載した「Traveo」(トラビオ)を発表した。

 第1弾製品として、2個のモーターを1つのマイコンで制御できる、レゾルバ-デジタルコンバータ(以下、R-Dコン)とCPUコアを2個搭載する「MB9D560」のサンプル出荷を開始し、2014年11月から量産する。

車載マイコンの旗艦ファミリ


スパンションマイクロコントローラビジネス担当シニアバイスプレジデント 布施武司氏

 2013年に富士通/富士通セミコンダクターのマイコン/アナログ半導体事業を買収したスパンションは、旧富士通時代からの製品開発ロードマップを踏襲し、マイコン/アナログ半導体製品の開発を進めている。今回、発表したTraveoファミリも、「旧富士通時代から企画してきた」(スパンションマイクロコントローラビジネス担当シニアバイスプレジデント 布施武司氏)という製品だ。

 旧富士通時代を含めスパンションは、車載マイコンとして32ビットのFRファミリをはじめ、16ビットの「F2MC-16ファミリ」といった自社開発CPUコア搭載マイコンを展開してきた。さらに2年ほど前には、欧州の車載関連顧客向けにARM Cortex-R4コアを搭載したカスタムマイコンを販売してきた。今回のTraveoファミリは、これら従来車載マイコンの上位ファミリに位置付ける車載マイコンのフラッグシップファミリで、R5コアの高い性能を生かした高性能マイコンを展開していく方針である。

左=スパンションのマイコンファミリ構成イメージ。車載以外の用途には、ARM Cortex-Mシリーズ搭載の「FMファミリ」を展開している / 中央=スパンションが車載マイコン分野で展開するコア技術 / 右=第1弾製品「MB9D560」の応用イメージ (クリックで拡大) 出典:スパンション

 Traveoファミリには、R5コアの搭載以外にも、これまでスパンションが蓄積してきた各種IPマクロや、セキュリティ技術、メモリ技術を搭載し、各種車載安全規格への準拠も積極的に進め、「自動車に特化した機能を搭載していく」(布施氏)という。

各種モーター制御用ハードを搭載

 第1弾製品であるMB9D560は、電気自動車(EV)/ハイブリッド車(HEV)に搭載される主動力用のモーターと、発電用モーターであるジェネレータという主要2モーターを1つのマイコンで制御するための製品として開発した。2個のR5コアを搭載するデュアルコア構成に加え、モーター回転位置などを検出するために必要なR-Dコンバータ2個をマイコン内に搭載。さらに複雑なモーター制御機能をハードウェア化した回路を搭載し、より高速、高性能なモーター制御が行える。モーター制御に不可欠な各種機能安全性診断機能の一部もハードウェア化し、高い安全性を持ったモーターシステムを容易に構築できる。

「MB9D560」が搭載する各種機能の概要 (クリックで拡大) 出典:スパンション

 R5コアの動作周波数は最大200MHzで、内蔵フラッシュメモリ容量は2Mバイトとなっている。なお、新マイコンのファミリ名であるTraveoは、「ラテン語で『歩み』『運ぶ』の意味であり、車載マイコンにふさわしい名称として採用した」(布施氏)と説明している。

 スパンションでは、MB9D560に続くTraveoファミリの開発を行っており、「2014年内に順次、発表していく」(布施氏)との方針。2014年5月21〜23日に開催される「人とくるまのテクノロジー展2014」(パシフィコ横浜)では、車載LAN規格CAN(Controller Area Network)を拡張したCAN FD(Flexible Data Rate)に対応した開発中のTraveo製品の展示も行う予定だ。

統合作業は「成功裏に進んでいる」


スパンションCEOのJohn H.Kispert氏

 Traveoファミリの発表に合わせて都内で会見したスパンション 最高経営責任者(CEO)のJohn H.Kispert氏は、「富士通/富士通セミコンダクターのマイコン/アナログ半導体事業の買収の統合作業は成功裏に進んでおり、シナジーが現れはじめている。自動車は今後も成長が期待できる分野。優れた日本のマイコン/アナログ半導体開発エンジニアの能力を存分に生かすためにも積極的な投資を行えるようにしたい」と継続して、車載マイコン事業を強化していく方針を示した。

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