マクニカと富士エレが経営統合へ――顧客層異なる両社で補完目指す:ビジネスニュース 企業動向
マクニカと富士エレクトロニクスは2014年5月22日、共同持ち株会社による経営統合を目指すことで合意したと発表した。経営統合時期は2015年4月1日を予定している。
国内半導体商社であるマクニカと富士エレクトロニクスは2014年5月22日、共同持ち株会社による経営統合を目指すことで合意したと発表した。経営統合時期は2015年4月1日を予定している。両社は経営統合により「外国製半導体、電子部品を扱う独立系半導体商社として日本最大級の規模および技術力を持つ企業グループとなる」としている。
独立系商社として「日本最大級」に
マクニカと富士エレクトロニクスはともに、海外メーカー製半導体を主力に扱う半導体商社だ。
マクニカは1972年設立で、近年は得意とするFPGAを軸に取り扱いメーカー/製品を大きく拡大。主な仕入れ先は、国内で唯一の販売代理店となっているアルテラをはじめ、ブロードコム、インフィニオン、テキサス・インスツルメンツ、アナログ・デバイセズなど。海外事業展開にも積極的でアジアに本拠地を置く海外半導体商社を買収するなどし日系顧客以外にも外資系顧客を多く持つ。2014年3月期業績は売上高2560億円、営業利益85億円で、国内半導体商社としては屈指の事業規模を誇る。
富士エレクトロニクスは1970年設立で、アナログ半導体の取り扱いに強みを持つ他、国内の産業機器メーカーを中心とした中堅、中小規模の企業との取引を得意とする。2014年2月期業績は売上高474億円、営業利益11億円。主な仕入れ先は、アナログ・デバイセズ、テキサス・インスツルメンツ、マイクロン、インフィニオンなど。
異なる顧客層
両社は取り扱いメーカーで共通部分が多い。その一方で、マクニカは大手顧客中心で海外顧客も多く持つが、富士エレクトロニクスは国内の中堅・中小企業顧客を得意としており、事業展開する領域は大きく異なる。両社は「大手から中堅・中小まで広範な顧客基盤に対して、両社の融合により外国製半導体および電子部品を含めたさまざまな商材の拡大と、充実したサービスの提供により、国内においてはすべての顧客取引でトップの商社となることを目指す」としている。
「対等の精神」
なお、経営統合は、新規に共同持ち株会社を設立し、マクニカ、富士エレクトロニクスの全株式を移転させる。共同持ち株会社は東京証券取引所に上場申請(上場予定日2015年4月1日付)を行い、現在同取引所に上場しているマクニカ、富士エレクトロニクスの株式は2015年3月27日付で上場廃止となる予定だ。株式の移転比率は「今後、両社で協議し決定する」とし、また「両社は対等の精神にのっとり、経営統合に向けた具体的な検討を進めていく」としている。
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