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インテルとRockchipが提携へ、低価格タブレット向けSoC「SoFIA」を提供狙いは中国の顧客網

インテルと中国 Rockchipが、インテルのタブレット端末向けSoC「SoFIA」を提供することで合意した。インテルの狙いは、Rockchipが持つ中国の顧客ネットワークだ。

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 インテルは2014年5月27日(米国時間)、ARMベースのSoC設計を手掛ける中国Rockchip(Fuzhou Rockchip Electronics)と、タブレット端末事業で提携することで合意したと発表した。提携の下、両社はインテルの低価格タブレット向けSoCプラットフォーム「SoFIA」を販売する。SoFIAは、Atomプロセッサに3GかLTE対応のモデムを統合したもの。今回の提携では、クアッドコアAtomプロセッサと3Gモデムを統合したSoFIAを、中国の機器メーカーに提供する。2015年前半に市場に投入する予定だとしている。

 クアッドコア+3G版は、SoFIAのラインアップを補完する製品になる。他のバージョンとして、デュアルコア+3G版とクアッドコア+LTE版がある。前者は2014年第4四半期に、後者は2015年前半に出荷を開始する予定だ。

 重要なのは、今回の提携によってインテルが、Rockchipが持つ中国の顧客ネットワークを手に入れられるという点だ。インテルのCEOを務めるBrian Krzanichは、「低価格タブレット端末は、タブレット端末市場の中でも最も成長が速いセグメントだ。1つのメーカーだけでは対応しきれなくなるほどの勢いを持っている」と語る。

 インテルは、Rockchipとの契約について詳細を詰めている段階だという。クアッドコア+3G版は、他の2種と同様に、まずはTSMCが製造し2016年ごろにインテルの製造拠点に移行されるとみられている。

 市場調査会社のInsight64の主席アナリストであるNathan Brookwood氏は、「今回は、設計力よりも中国におけるマーケティング戦略を重視した提携だ」との見解を示す。また、Tirias Researchで主席アナリストを務めるKevin Krewell氏は、「インテルはタブレット端末市場をかなり重視している。ARMベースのSoCを手掛ける競合と提携するような今回の提携は、インテルにとっては珍しい。Rockchipは、タブレット向けのARMベースSoCを最も安価に提供するメーカーの1つだからだ」と述べている。

 インテルは、2013年にタブレット向けSoCを1000万個出荷することを目標にしていて、実際はこれを50万個上回る出荷個数を達成した。2014年の目標出荷数は4000万としている。2014年第1四半期には、500万個を出荷した。同社は現在、90品種のAndroidタブレットとWindowsタブレットで、デザインウィンを獲得している。

【翻訳/編集:EE Times Japan】

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