ハンドヘルド型測定器事業を強化、サーモグラフィで日本アビオニクスと協業:テスト/計測(2/2 ページ)
アジレント・テクノロジー(以下、アジレント)は、メンテナンス市場向けハンドヘルド型測定器の事業を強化する。この一環として日本アビオニクスと協業し、ハンドヘルド型赤外線サーモグラフィ製品を共同開発した。これとは別に、ハンドヘルド型絶縁抵抗計やリモートリンク製品も発表した。
10V〜1.1kVに対応
ハンドヘルド型絶縁抵抗計「U1450A/60A」シリーズは、測定電圧レンジや搭載する機能によって5製品を用意した。この中には10V〜1.1kVまで1Vステップで測定出力電圧を変更できるモデルや、4桁半のフル機能デジタルマルチメータを搭載したモデルもある。一般的な競合製品は測定電圧レンジが10〜100Vと狭く、用途も限られていたが、U1450A/60Aシリーズは航空機やプラント設備のメンテナンスから、EV/HEVや通信インフラの点検、トラブルシューティングなど、幅広い用途に対応することができる。また、全てのモデルがIP67保護等級の防塵/防浸性能を確保するなど、堅牢な構造となっている。
「Class1」対応で通信距離は最大100mに
ハンドヘルド型測定器をワイヤレス接続するためのリモートリンク製品も新たに2製品追加した。これまでは通信距離が最大10mの「Bluetooth Class2」に対応してきたが、今回は通信距離が最大100mの「Class1」に対応した製品である。赤外線・Bluetooth変換アダプタ「U1117A」を自社のハンドヘルド型測定器に装着すれば、最大100m離れた場所にあるリモートロギングディスプレイ「U1115A」や、iOS/Android搭載のモバイル端末、Windows搭載PCなどとワイヤレス接続し、端末の画面上に測定結果を表示することができる。「U1117Aを装着すれば、既存のハンドヘルド型測定器であっても最大100mのリモートリンク環境を構築できる」(同社)という。
なお、価格(税別)はU5855Aが40万4332円、絶縁抵抗計は6万2127円(U1451A)〜10万9115円(U1461A)である。
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