高速フレームレートで低ノイズ、グローバルシャッター方式CMOSセンサー:画像センシング展2014
CMOSISは、マシンビジョンや高速検査システムなどの用途に向けたグローバルシャッター方式のCMOSイメージセンサーを「画像センシング展2014」で展示した。
CMOSISは、「画像センシング展2014」(2014年6月11〜13日、パシフィコ横浜)において、マシンビジョンや高速検査システムなどの用途に向けたグローバルシャッター方式のCMOSイメージセンサーを展示した。同社のCMOSイメージセンサーは、高い解像度や高速フレームレート、低ノイズといった特長を持つ。
マシンビジョン、高速検査システム向け
ブースでは2014年夏より量産を始める「CMV8000」のパネル展示を行った。CMV8000は、光学フォーマットが4/3インチで、実効解像度が3360×2496ピクセルのグローバルシャッター方式CMOSイメージセンサーである。
固定パターンノイズやダークノイズを低減することができる相関二重サンプリング(CDS)機能を備えたパイプライングローバルシャッターピクセル構造とした。CDS処理を含めた画像読み出し処理は、次フレーム画像の露光と並行して実行する。また、16個のLVDS出力チャネルを備え、各チャネルが最大600Mビット/秒で動作することにより、10ビットモードで全画素出力時に、104fps(12ビットモードでは46fps)というフレームレートを達成した。
同社は既に、実効解像度が4096×3072ピクセル、フレームレートが300fps(10ビットモード時)の「CMV12000」や、同じく2048×2048ピクセルで180fpsの「CMV4000」を量産し、マシンビジョン向けなどに供給しているが、「その中間に位置する製品のニーズが強まったことから、CMV8000を新たにラインアップした」(説明員)と話す。
IMECの開発成果から起業
CMOSISは、ベルギーの研究機関であるIMECの開発成果を基に起業したFillFactoryの創立メンバーらが、2007年に創設したCMOSイメージセンサーメーカーである。同社のCMOSイメージセンサーは、その特長を生かしマシンビジョンやモーションコントロール、高速監視システムなどの産業用途に数多く採用されている。それに加え、ライカ製カメラにも2400万画素を有する専用CMOSイメージセンサーが搭載されているという。国内ではグローバルアライアンスやアロー・ユーイーシー・ジャパンなどがCMOSIS製品を取り扱っている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- シリコンに代わる材料を用いたCMOSイメージセンサー、8Kカメラの高感度化を実現
NHK放送技術研究所が「技研公開 2014」で披露しているCMOSイメージセンサーは、光電変換部にシリコン以外の材料を用いている。シリコンよりも光を吸収する結晶セレンだ。従来の表面照射/裏面照射型CMOSセンサーはその構造上、高感度化を図るのがだんだん難しくなっている。大幅な高感度化には、新たな材料を採用することが必要だ。 - 車載CMOSセンサーで「業界初」の裏面照射型、オムニビジョンがADAS向けに開発
OmniVision Technologies(オムニビジョン)が、車載CMOSセンサーでは「業界初」(同社)となる裏面照射型の製品「OV10640」と、OV10640のコンパニオンプロセッサ「OV490」を発表。バックモニターやサラウンドビューに加えて、先進運転支援システム(ADAS)に最適だとする。 - 東芝が車載CMOSセンサーを披露、ダイナミックレンジが126dBの品種も
東芝は、「人とくるまのテクノロジー展2014」において、同社が注力している車載CMOSセンサーを紹介した。HDR機能を搭載しており、130万画素の製品のダイナミックレンジは126dBと極めて広い。