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開発が進む4K技術、ワールドカップでもソニーとFIFAが取り組み強化ビジネスニュース オピニオン(3/3 ページ)

「2014 FIFA ワールドカップ」では、ソニーがFIFA(国際サッカー連盟)と連携して4K映像への取り組みを積極的に進めている。撮影、編集、放送の全てにおいて課題がある4K技術だが、進展もある。圧縮規格はH.265の策定が完了し、H.265に対応したFPGAベースのエンコーダも登場している。

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“どこでも動画が見られる”時代に

 ビデオシステム設計者にとってもう1つの課題は、複数の端末に対応するということだ。放送業界は、“どこでも動画を見られる”ようになっている現在の社会に応えるべく、さまざまなフォーマットに対応した信号を提供する必要がある。

 BBCでロンドンオリンピックの放送を担当したCait O'Riordan氏は、オリンピックは主に4種類の端末から視聴されたとブログに書いている。PC、テレビ、携帯電話機、タブレット端末だ。

 このデータから、“どこでも動画を見る時代”が確実に到来していることが分かる。「全ての動画コンテンツを、どんな端末からも見られる」という状況にはまだなっていないが、いずれはそうなるだろう。どの端末でも視聴できるようにしていくことが、視聴者/ユーザのニーズを満たす必須条件になる。


BBCは、どのような端末からオリンピック中継が見られているかを、1時間ごとに追跡調査した。その結果、複数の端末が同程度に使われていることが分かった

 ロンドンオリンピック後、設計者が抱えているもう1つの課題がH.265だ。H.265は、2013年に標準化されたばかりであるが、H.265に対応したFPGAベースのエンコーダ向けソリューションは既に登場していて、動画配信機器を手掛けるHarmonicが採用している。ASSPやASICでH.265に対応できるようになるには、もうしばらくかかる見込みだ。唯一の代替策はソフトウェアの実装だが、これは性能が制限される上に、電力をより消費する。

 どちらにしても、動画処理機器の設計者は、2016年のリオデジャネイロオリンピックの前に、大きな成功者となるのは間違いないだろう。

【翻訳:滝本麻貴、EE Times Japan、編集:EE Times Japan】

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