ルネサスが設計開発部門再編――800人規模の早期退職も:ビジネスニュース 企業動向(2/2 ページ)
ルネサス エレクトロニクスと国内の関連子会社であるルネサスソリューションズ、ルネサス システムデザイン、ルネサス エンジニアリングサービスは、設計/開発に関連する機能を、2014年8月1日付で再編する。これに伴い、再編部門に従事する5900人を対象にした早期退職の募集も始める。募集人数は特に定めていないが「800人程度を想定している」(ルネサス)。
早期退職募集も開始
ルネサス エレクトロニクスは、今回の再編は同社グループ内での施策であり、業績に与える影響は軽微だとしている。
一方で、人員面では、今回の設計開発部門の再編に伴って、早期退職優遇制度を実施する。募集対象者は、再編成の対象となるルネサス エレクトロニクスおよび関連会社に在職する従業員が対象で、「募集人員は特に定めていない」(ルネサス)。なお、再編対象となる部門の従業員総数は、約5900人で、ルネサス本体約3350人、RSO約700人、RSD約1300人、REG約550人という内訳。また、勤務地の変更を伴う異動は、「東京/神奈川地区から高崎地区へ異動するケースが多い」とし、異動困難者が450人程度発生すると推定。異動困難者に加えて、「今回の再編の考えに沿えない従業員を合わせて、800人程度の早期退職制度への応募を想定している」(ルネサス)。
募集期間は2014年8月7〜21日までの予定で、退職日は同年9月30日。優遇措置として、通常の退職金に特別加算金を加算して支給する他、希望者に対し、再就職のための再就職支援サービスの提供を行う。
なお、今回の早期退職募集の実施による連結業績への影響については現在精査中だとしている。
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構造改革を着々と進めるルネサス
ルネサスは、1)マーケットイン志向へ事業ドメインを変更、2)収益志向の組織・仕組みへ変革、3)グローバルな経営・組織体制へ変革、という3つの骨子に従い、中長期的に伸びる分野や地域、勝ち抜ける領域を特定し、強みを発揮できるような強固な体質を作るべく、構造改革を進めている。今回の設計・開発部門の再編についても、2013年10月の2013年度(2014年3月期)第2四半期決算説明会の席上で、会長の作田久男氏が「設計開発拠点は、ばらついているので、もう少し集結した方がスムーズになる。本社を置くビルも16年3月に立て替えの計画があり移動しなければならず、NECから借りている拠点や老朽化している拠点もあり、それらも考慮して、集約を考えていく」と語り、示唆していた(関連記事:「ルネサスの社員は当事者意識が低い」――作田氏がルネサス変革プランを説明)。
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